山行報告>山開きの日に登った守門岳

2016/5/22

 
【日 程】平成28年5月22日
【山 名】守門岳
【標 高】1,537.3m
【天 候】晴れ
【メンバー 】T田、Y井、I田、福福
【タイム】
 保久礼駐車場8:05−−−8:03保久礼小屋8:18−−−9:49キビタキ小屋9:49−−−9:45大岳10:00−−−9:48分岐9:49−−−10:55青雲岳10:55−−−11:09袴岳11:19−−−11:34青雲岳12:06−−−12:17分岐12:21−−−12:47滝見台12:48−−−13:25護人清水13:51−−−14:13猿倉橋
       


上越の名峰、守門岳(すもんだけ)は山名の響きもいいし、以前から登ってみたい山だった。ただ、名古屋からは遠い上に登山口までのアプローチが不便でなかなか計画するには至らなかったのだが、たまたま山開きの行事が有ることを知って、これに便乗すればアプローチの問題は上手くいくのではと考えた。

早速、地元の観光協会に電話して尋ねてみると、特に山開きに合わせて地元で送迎サービスを行うことはしていないが、送迎してくれる宿が有るということで、道院高原の「道院ロッジ」を紹介してくれた。その道院ロッジに問い合わせてみると、長岡駅から宿までの送迎と宿から登山口までの送迎をしてくれるという親切な回答をもらったので直ぐに宿泊予約をして、会の例会として計画を進めた。

その5月例会には我々夫婦の他に3人の参加があったが、3人組はT田さんの運転する車でやって来た。私なら一泊二日の山旅のために名古屋から長距離運転しようと言う気にはならないが、車好きのT田さんにとっては苦にはならないらしい。
私とカミさんは列車利用で、中央線、篠ノ井線、北陸新幹線、妙高はねうまライン、上越線という乗り換えを繰返しながらの鉄道の旅を楽しんだ。

長岡駅前に約束の時間に合わせて宿の車が迎えに来てくれて、道中は宿の人とのおしゃべりを楽しみながらで退屈することはなかった。到着した道院ロッジは眼前に守門岳が聳えるという絶好のロケーションでその立地と周りの環境の良さにまず感心した。

ただ、山開き前日で当然混みあうものと思っていたのに、宿泊客は我々のみの貸切状態だった。この点は不思議だったがスタッフは親切だし、食事は美味しいし、なおかつ低料金で送迎付きというこの宿は大いに気に入った。

翌朝、登山口の保久礼小屋手前の駐車場まで送ってもらうと、そこに至る道路脇には既に車がびっしり駐車していたのだが、駐車している車のナンバープレートを見てあれっと思った。殆どが地元の車だったのだ。山開きというのは観光行事だろうと思っていたのが、全くの思い違いだったことは登りだしてみるとなお分かった。足元が登山靴ではなく長靴というのがまずそうだと思うが、地元の老若男女がこの日に合わせてこぞって参加していた。

地域に恵みを与えてくれる山への感謝及び地域の結びつきを確認する場として、昔から山開き行事は引き継がれているのだろう。単なる人寄せのためではなくそういう伝統的な行事に参加しているとなると、襟を正して登らなければという気になる。

保久礼小屋前で味噌汁を振る舞われてから、擬木の階段を登って林の中に入る。ブナの林にはタムシバや雪椿の花、足元にはイワカガミ、ショウジョウバカマ等がよく見られた。キビタキ小屋の手前で登路は二手に分かれるが、小屋を過ぎたところで直ぐにまた一本に戻って、尾根を一直線に登ってやがて大岳の山頂に到着した。大岳は長岡市と三条市の市境にあって、今日の山開きは長岡市の栃尾地区で行なわれるものなので、この大岳山頂が山開きの神事の祭場になっている。一方、守門岳最高峰の袴岳は三条市と魚沼市の市境にあって、こちらの山開きは又別に日に行われるそうだ。

大岳山頂にいた人から「向こうが眺めの良いところですよ」と言われて、山頂の東側に回ってみると残雪をまとった守門岳(袴岳)のみごとな景色だった。大勢の人達がこの眺めを楽しみながら休憩をとっていたので、記念撮影をお願いして我々も一息入れた。残念ながら大岳での神事は11時から始まるので、参加は諦めて休憩後には袴岳に向かった。

大岳から急な下りの後、時折は残雪も踏んで登り返すと下山コースとの分岐に出た。この間の足元にはキクザキイチゲやカタクリの花が楽しめたが、特にカタクリはこの後も数多く見られた。ここから15分ほど登ると全く雪のない青雲岳の開けた山頂に着き、更に一登りすれば最高点の袴岳だ。ここからの眺めも悪くないが、いかんせん人が多すぎてゆったり眺めを楽しむという気分にはなれず、昼食は青雲岳でとることにして早々に立ち去った。

青雲岳で気持よくお昼を食べてから分岐まで戻り下山ルートに入ると、本コース中唯一のシラネアオイを見つけ嬉しくなって写真を撮った。標高千メートルの中間点にある滝見台から振り返るとオカバミ滝が見られるが、あまりこの滝は迫力がない。892pを過ぎると道は尾根を外れ山腹を下るようになり、途中に「熊にご挨拶」と書かれた鐘が吊り下がっていたので、一緒にあった槌で丁寧にご挨拶しておいた。

その先の護人清水では冷たい水が喉に心地よく、何杯もおかわりして飲む。ここまで待ち合わせの車に間に合わせるため、私一人が先行して急いで下りてきたのだが、まだ時間に余裕のあることが分かりこの場所でゆっくり後続を待つ事にした。やがてカミさんがやってきたが残りの三人はまだ来ない。少し待ってみたがそろそろ先に行こうかとしていると例の熊さんご挨拶の鐘がカーンと鳴り響くのが聞こえた。彼等のやってくるのも間もなくと分かり安心して出発する。

やがて二口登山口に着いてその先の猿倉橋には14時13分に到着し、14時半のお迎え時間にちょうど間に合った。橋の袂には駐車場やトイレ施設もあり待ち合わせするには良い場所だ。
さて、今回は山開き神事に参加できなかったのは残念だったが、地域の人達と一緒に登ることが出来たのは良かった。山開きというのはこういう雰囲気で行われるのだと言うことが分かったのと、地元にとっては我々の想像以上に大切な行事だということが実感できたからだ。山自体は易しいが守門岳は良い山だった。

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GPSで記録した登山ルートの地図画像が見られます。
オンライン地図(山旅倶楽部)の2万5千全国地図とカシミールを使用していますが、画像を縮小している為、縮尺は正確ではありません
地図上で登山ルートを赤色の実線で表示しています。歩いたコースが往復で異なる場合や行動が複数日に渡る場合は、色を変えている場合があります(例:登りを赤色、下りを紫色。一日目を赤色、二日目を紫色)