山行報告>北海道の山2010(10)芦別岳

2010/8/11

 
【日 程】平成22年8月11日
【山 名】芦別岳
【標 高】1,726.1m
【天 候】曇り後雨
【メンバー 】福福
【地 図】※デジタル地図の該当部分を切り出したもの
【タイム】
 ユーフレ太陽の里キャンプ場5:49−−−5:53新道登山口5:55−−−7:15見晴台7:15−−−8:39反面山8:48−−−10:00芦別岳山頂直下10:02−−−13:45新道登山口
       


夕張岳の快適な登山に気を良くして、翌日は同じ山塊の芦別岳に登ることにした。天気予報は翌日は雨となっていたが、夕張岳に味をしめてその勢いだ。同じ夕張山系の山で山自体はそれほど離れてはいないのだが、芦別岳の登山口は富良野市にある為、夕張山系の麓をぐるっと一回りして行くことになる。16時過ぎに登山口のユーフレ太陽の里キャンプ場の駐車場に車を入れた時、前日に夕張岳ヒュッテで言葉を交わした家族が芦別岳からちょうど下りてきたところだった。夕張岳に引き続き芦別岳に登って次は天塩岳に登ると言っていた。夫婦と娘の元気な家族だった。

ユーフレ太陽の里キャンプ場はユーフレ川沿いにあって、眺めの良い広々としたキャンプ場だ。丈の長い芝が張ってあるので露で濡れるのは困るが、開放的で明るいキャンプ場である。整備も行き届いていてこれで無料なのだから富良野市は太っ腹だ。

このキャンプ場の近くに旧道と新道のそれぞれの登山口がある。旧道はユーフレ川沿いの、新道は南側の尾根を登るコースだ。本来は旧道の長大なコースを歩かないと芦別岳の魅力を十分に味わえないような気がするが、天気を考えて今回は新道の往復とする。

翌朝、テントを撤収して車のトランクに収めてから出発する。登山口の登山ポストに記入の際に、1時間前に単独男性が登ったことを知ったが、1時間もずれがあっては山頂までに追いつくことはないだろう。見通しの利かない林の中の道は所々ぬかるんでいるところもあってあまり歩きやすくはない。途中に「呻吟坂 序曲」と書かれた標識が出てくるがこれはこけおどし。次の「呻吟坂 負けるな」の標識にはちょっとがっかり。序曲の次は第一楽章だろう。

標高850m辺りに林の切れた「見晴台」と言う場所があり里の風景が眺められるが、それより今は上空の雲が気掛かりだ。見晴台を過ぎてしばらく行ったところでとうとう雨が降り始めた。登り始めから1時間半だったが良く持った方かもしれない。登山道はこの後も同じような傾斜で続くので、ほぼ一本調子の道と言って良い。

この傾斜が緩むのは反面山(1,377)から先で、ここで雨の中を立ったままバナナなどを食べて休憩している時に単独の高年男性に追い越された。その人は上はTシャツ、下は陸上選手が履くような体に張り付く半タイツ、足下は運動靴、それに小さなザックを背負って、その上から半透明のビニールレインコートという格好。これで遭難したら間違いなく無謀登山と言われそうな姿で、見た時は唖然とした。

反面山の先に熊の沼の小さな湿原があり、道がぬかるんでいてこの辺りも歩きにくい。屏風岩の下部を通り雲峰山に登ると風が非常に強く、その上一面のガスで周りは見えない。ここがピークかと思って登ってきたのだが、一旦下ってまだその先のようだ。狭くて急な道を下ってまた登り返すと左手に谷が広がり、お花畑が現れるが残念ながら花を楽しむ余裕はない。

じりじりと山頂に近づいていく間にも風が益々強まってくる。山頂直下の岩場でとうとうカミさんがギブアップ。美瑛岳で風で飛ばされた記憶がよみがえったようで、岩場でそんな目にあっては危ないと思ったらしい。この場で待つから一人で山頂へ行けと言う。そう言われて一旦は行きかけたのだが、こんな天気に山頂に登っても良いことがあるわけでは無し、それよりパーティがバラバラになる方が危ないと考え直し、結局、二人揃ってそこから引き返した。後からGPSの軌跡を見ると山頂まで達しているように見えるが、実際は山頂の数m下で引き返している。

下りになるとカミさんの靴擦れが酷くなったらしく、びっこを引くようになって極端に歩くスピードが落ちて来た。別に急ぐ必要もないのでそのペースでゆっくり下りてきたが、山頂から登山口に戻るのに、登りに要した時間にほぼ等しい時間がかかった。しかし、悪いコンディションの中で痛い足を我慢してよく頑張ったと、ここは褒めるべきだろう。

ところで、登山ポストに下山の届けを書いていて不思議に思ったことがある。前に書いたとおり我々より1時間前の5時に登り始めた単独の人がいる。それから途中で我々を追い抜いていった単独男性は6時半に出発しているようだ。で、それぞれ11時50分と11時57分に下山したと届けが出ている。彼等は我々より先行しているわけだから、どこかで我々とすれ違っている事になる。彼等の下山時刻から考えると我々が雲峰山から山頂に向かって登っている時に、その間に下山してくる彼等とすれ違ったはずなのだが、我々は彼等の姿を見ていない。ガスで視界の悪かったことは確かだが、同じ道を歩いてくれば気がつかないはずはない。ひょっとしたら別の登山道があったんだろうか?
狐につままれた気分で今でもこの謎が解けない。/福西

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GPSで記録した登山ルートの地図画像が見られます(画像ファイルは200KB前後です)
オンライン地図(山旅倶楽部)の2万5千全国地図とカシミールを使用していますが、画像を縮小している為、縮尺は正確ではありません
地図上で登山ルートを赤色の実線で表示しています。歩いたコースが往復で異なる場合や行動が複数日に
渡る場合は、色を変えている場合があります(例:登りを赤色、下りを紫色。一日目を赤色、二日目を紫色)