山行報告>北海道の山2010(11)富良野岳

2010/8/18

 
【日 程】平成22年8月18日
【山 名】富良野岳
【標 高】富良野岳1,911.9m、三峰山1,866m、上富良野岳1,893m
【天 候】晴れ後曇り
【メンバー 】福福
【地 図】※デジタル地図の該当部分を切り出したもの
【タイム】
 原始ヶ原登山口8:22−−−10:561,450m11:11−−−12:22富良野岳12:46−−−14:01三峰山14:03−−−14:34上富良野岳14:40−−−16:05安政火口16:09−−−16:46十勝岳温泉
       


カミさんの靴擦れが良くなるまでしばらく山登りは中断していたので、今日が久しぶりの再開である。お天気の方は朝霧が出ていたのでこれは良くなるぞと期待していたら、案の定青空が広がってきた。宿泊したふらのYHからタクシーで原始ヶ原入口(ニングルの森)に向かう。自分たちの車は下山してから行動しやすいように下山先の十勝岳温泉に回してある。8時頃に管理棟やトイレもある原始ヶ原入口に到着したが、建物はトイレも含め鍵がかかっていて利用できない状態であった。

他に駐車している車もなく、この時間帯の入山者は我々だけのようだ。登山口から直ぐに滝巡りコースが右に分かれるのだが、このコースは落石により通行止めの看板が出ている。滝巡りコースに行くには林間コースを1km程登って、標高840m辺りに分岐があるので、そこから入れば行かれそうである。なお、林間コースから滝が眺められるのは分岐から更に1km近く登ったところの広原の滝だけだ。

広原の滝を過ぎてから三の沢を徒渉し、東に少し進むといよいよ原始ヶ原に入る。登山口と書かれた標識と富良野岳への標識があり、また原始ヶ原散策のルートもここから始まっている。原始ヶ原は地図に湿地マークがある通り湿原である。だから木道が敷設されていると思い込んでいたが木道は一切なかった。最初に見た標識以外に標識の類もほとんど無く、人工物としてはコースを示す赤テープが見かけられるだけだ。踏み跡は乾燥化したところは明瞭だが、分かりにくいところもある。我々の時はお天気が良くて目の前に富良野岳がそびえているので間違えることもないのだが、ガスっている時や、下りにこのコースを取ると分かりにくいのではないだろうか。

富良野岳への登山道は原始ヶ原の西の端を通っているのだが、歩いてみるとこれが結構長くて、真正面の富良野岳がなかなか近づいてこない。とは言えあまり疲れを感じずに歩くことが出来るのは、ロケーションが良いせいだと思う。前富良野岳が真東になる辺りで湿原を終え、しばらくは笹をかき分けながら進むようになり、地図の1362地点辺りからようやく富良野岳に取り付いたという感じなる。標高1,450mの木陰で一息入れてから日向に出ていよいよ山頂に向かって最後の登りだ。

地図では分からないが標高1,600m辺りから上部はザレ場になっていて、これが足下が直ぐに崩れるようなグズグズの道で何とも歩きにくい。その上斜面が段々急になってくるので気が抜けない。早く安定した道にならないかと願いながら進む内に標高1,800m辺りでハイマツの斜面になりほっとする。そのまま登って肩に出ると富良野岳の方向を示す標柱が立っていて、振り返ると原始ヶ原の全景が見下ろせる。ここから見ると原始ヶ原のほんの一部分を通ってきただけと言うことが良く分かる。そこから小ピークを越えた先が目的の富良野岳だ。

山頂は冷たい風が吹き付けるので岩陰で昼食をとりつつしばらく景色を眺めていたが、午前中に比べると雲が空全体に広がってきて特に遠くの山は不明瞭だ。休憩を終えて山頂から下る道は階段がしっかり整備してあって、階段歩きが歩きにくく感じる程だが、登山者の大半はこの道を往復するのだから手が入っているのも当然かもしれない。

十勝岳温泉への分岐を過ぎ、三峰山への登りにかかってから振り返ると、富良野岳は雲に霞んで随分と離れてしまったように感じた。三峰岳は名前の通り三つのピークが並ぶ山で、そこを下って緩い斜面を登り返すと上富良野岳の山頂に着く。11日前に強風の中を通過した上富良野分岐にまたやって来たわけだ。あの時は無事に下りることだけに神経を集中していたが、今は回りの景色を楽しむ余裕がある。同じ場所でのこのギャップは記憶にしっかり残ることだろう。

この道を下っていくとヌッカクシ富良野川を渡るところで安政火口への標識があり、前回通った時もこの標識が気になっていたので、今回ちょっと寄り道してみることにした。立ち入りは制限されていないと考えてそこまで行ってみたのだが、後日、北海道森林管理局のHPで平成21年夏から安政火口への立ち入りは禁止されていることを知った。落石の危険があるからという事で、分岐標識付近に立入禁止看板を設置したと書かれていたが、その看板は気付かなかった。ただ、行っては見たもののただ噴気が上がっている場所があるだけで、特にどうという事はない。わざわざ来ることも無かったとカミさんと話したことだった。

分岐に戻ってから石のごろごろした林道を進み、三段山への道を見送れば、後500m程で十勝岳温泉に到着する。今回で黒岳から歩いた道が原始ヶ原まで繋がったことに満足して、駐車場に止めてある車に乗り込んだ。今日の泊まりは懐かしい吹上温泉。露天風呂が楽しみだ。/福西

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GPSで記録した登山ルートの地図画像が見られます(画像ファイルは300KB前後です)
オンライン地図(山旅倶楽部)の2万5千全国地図とカシミールを使用していますが、画像を縮小している為、縮尺は正確ではありません
地図上で登山ルートを赤色の実線で表示しています。歩いたコースが往復で異なる場合や行動が複数日に
渡る場合は、色を変えている場合があります(例:登りを赤色、下りを紫色。一日目を赤色、二日目を紫色)