【日 程】平成22年11月27日、28日 【山 名】思親山、身延山 【標 高】思親山1,030.9m、身延山1,153m 【天 候】1日目晴れ、2日目晴れ 【メンバー 】Y井、J久、I田、Y田、Go夫妻、シン(1日目のみ)、福福 【地 図】※デジタル地図の該当部分を切り出したもの 【タイム】 11/27 佐野峠11:56−−−12:33思親山13:46−−−14:20佐野峠 11/28 久遠寺三門8:35−−−8:54本堂9:18−−−10:08三光堂10:08−−−10:45法明坊10:46−−−11:07奥ノ院11:57−−−13:12感井坊13:16−−−13:26千本杉13:29−−−13:55妙石坊13:59−−−14:22祖師堂14:24−−−14:46久遠寺三門 |
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11月の例会は「富士を見る山歩き」というテーマで毎年行っているのだが、段々思いつく山がなくなって計画を立てる時に苦労するようになってきた。そんな時に、そう言えばと思い出したのが会員のK藤さんのこと。K藤さんは熱心な日蓮宗の信者で檀家の人達と一緒に、身延山と七面山を交互に毎年登っている。七面山は以前の例会の時に案内して貰ったので、じゃぁ今回は身延山と合わせて思親山にしようという計画になった。 最近例会から足が遠のいているK藤さんに参加して貰おうという思いもあったのだが、残念ながらK藤さんは所用があって不参加だった。ちなみに身延山は日蓮宗の総本山(久遠寺)であり、思親山は身延山の南方約10kmの位置にあって、日蓮がこの山越しに故郷房州の両親を偲んだということから名前が付けられた山とされている。 早朝の普通列車に乗って、思親山の登り口であるJR内船駅まで長い列車の旅が始まる。以前の東海道線は浜松から熱海の間の列車にはトイレの設備がなく、長時間の乗車に不安を感じることがあった。新型車両が導入されてからはトイレ付きになったので安心だが、相変わらず横座りのベンチシートなので旅を楽しむ雰囲気に欠けるのは残念だ。 富士駅で東京から来たGo夫妻と合流後、身延線に乗り換えて内船駅で下車し、予約しておいたタクシーで登り口の佐野峠まで行く。タクシーの運転手さんから「皆さん、峠に着くとウォーッと歓声を上げられるんですよ」と聞かされていたので楽しみにしていたのだが、肝心の富士山は生憎と雲の中で歓声も拍手もおきようがなかった。途中の列車からは頭の部分だけは見えていたのに、今はすっぽり隠れてしまっている。峠にはバイクでやって来たシンさんがもう40分も我々を待っていたそうで、地元だからとは言えありがたいことだ。 ともかく、時間が経てば雲も切れるかもしれないと、山頂での展望に期待して登り始める。峠からの尾根道は東海自然歩道なので、東海自然歩道風の階段が整備してあるのだが、丸太を並べたこの種の階段はいつも登りにくいと感じる。とは言っても歩くのはわずかな距離で、佐野峠から40分もかからずに山頂に着いてしまう。富士の眺めが良いはずの山頂だったが、木のベンチをテーブルにして昼食をとっている間も富士山は顔を出さず、結局、眺めの方は明日に期待ということで山頂を後にした。折角シンさんに案内して貰ったのに残念だったが、佐野峠から思親山(シシンサン)というこのコース、正にシンさんのコースだと思ったことだった。 この日はK藤さんに紹介して貰った久遠寺三門近くの宿坊に泊まり、二日目の朝、予定通りの時間に出発する。山門ではなくなぜ三門なのかはよく分からないのだが、ともかくそれを潜ると目の前に急な石段がある。板を立てかけたようなという表現がふさわしい馬鹿に急な石段で、見ただけで登る意欲を無くしてしまい右手の緩やかな女坂から登ることにした。元気の良いY井さんとGoyさんはそのまま石段を登っていったし、他に本堂での早朝の勤行に参加したJ久、Gom、ぷくの3人も石段を経験しているので、登ってない方が少数なのだが今は体力温存が正解の筈だ。 登山道が分からず本堂の前をうろうろしてしまったが、何とか本堂裏手の入口が分かって奥ノ院に続く道を登り始める。参拝者の為の道なのでずっと舗装されていて、舗装が途切れるのは三光堂を過ぎてからだが、その先も山頂まで林道のような幅広の道が続く。概ね杉林の中だし、上部で富士が見えることもあるが、木々の間の隙間から眺められる程度でほぼ展望のないコースと言って良い。その分、奥ノ院に着いてから見た富士には感激して、同じような写真を何枚も撮ってしまった。ロープウェイで上がってきた参拝客達と一緒に奥ノ院思親閣(ここが山頂)に参り、その裏手の展望台から今度は富士とは逆方向の南アルプス方面の山々を眺めてから昼食場所を求めて下り始めた。登りに使ったのは表参道(東コース)で下りは裏参道(西コース)とこの山は周遊できるところが良い。 昼食後は追分(感井坊)で七面山へのコースと分かれ、千本杉、妙石坊、祖師堂と順に下って最後はまた出発点の三門に戻って今日のコースを終了した。この裏参道で特に印象的だったのは紅葉の見事なことだった。身延山は一般的に言って山歩きの対象になる山ではなく、信者ではない我々にとっては単に富士を眺める為だけに登った積もりだったが、下り道で見た紅葉は富士に負けない位に清々しく心に残るものがあった。こんな風に感じられたのも、ひょっとしたら日蓮の功徳かもしれない。/福西 |
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GPSで記録した登山ルートの地図画像が見られます(画像ファイルは300KB前後です) |