山行報告>ご神体の山、三輪山

2011/4/24

 
【日 程】平成23年4月24日
【山 名】三輪山、竜王山
【標 高】三輪山467.1m、竜王山585.7m
【天 候】曇り
【メンバー 】Y田、M上、J久、I田、Y井、P.wave、福福
【地 図】※デジタル地図の該当部分を切り出したもの
【タイム】
 三輪駅9:43−−−9:55大神神社10:00−−−10:06狭井神社10:15−−−10:33三光滝10:33−−−11:00奥津磐座11:10−−−11:35三光滝11:37−−−11:52狭井神社12:02−−−12:18三輪駅12:28−−−12:33柳本駅12:38−−−13:39休憩13:47−−−14:04林道出合14:15−−−14:30竜王山15:20−−−16:47柳本駅
       


20代の頃にこの山の麓を通って「山辺の道」を歩いたことがある。多分、その時に三輪山がご神体の山という知識を得たのだと思うが、あれは拝む山で登ることは出来ないと思っていた。
それが一昨年の12月にまっささんが登ったという書き込みを見て、「えーっ、三輪山って登れるのぉ!」と驚いた。登れないと思い込んでいた山が実は登れると分かると、ご神体の山=御利益のありそうな山という思考回路が自然と働いて今回の山行となった。

近鉄桜井駅でP.waveさんと待ち合わせし、JRに乗り換えて一駅先の三輪へ。この三輪駅は三輪山のある東側には改札口がなく、商店街を一回りしてから踏切を渡って大神神社(おおみわじんじゃ)の参道に入る。参道の両側には参拝客目当ての露天が立ち並んでいる。大神神社で参拝の後、くすり道を通って摂社の狭井神社(さいじんじゃ)へ。ここで登拝料一人300円を払って案内図と白襷を受け取り、注意事項などの説明を受ける。後は御幣で各自お祓いをして、これで一応登る為の準備完了で、注連縄の張られた登拝口から山中に入っていく。登山道は幅広で階段などが良く整備してあり、登山道というよりはやはり参道か。林内は常緑樹が多くどちらかと言えば暗い森で、山頂を含めて展望は全くなく、爽快感を感じるような山登りは出来ない。

ただ、氏子さんだろうか道の落ち葉を箒で掃き清めている人に途中で出会ったが、我々の下山時にもまだ熱心に掃除をしておられた。山中で箒の掃き目が付いた道などと言うのはここならではだ。禊ぎ場である三光の滝を過ぎると次は中津磐座(なかついわくら)で、山頂部の直ぐ下には高宮神社の社があり、山頂部分は奥津磐座である。この磐座はハンレイ岩だそうで他の春日山系の山が花崗岩地質であるのに対し異質である。それとこの山の三角点は奥津磐座と高宮神社の中間の目立たない場所にある。山頂では恐れ多いと言うことでこの場所になったのか、神社が山頂への設置を認めなかったのか。

山中での飲食や写真撮影が禁止されているので、長居することもなく下山したが、この山で印象的だったのは登る人の多いことだった。特に若い人が多い。一人300円でこの日の売り上げは?等と下世話な想像を巡らす私には多分御利益はないだろうが、登ってくる人達は皆善男善女に見えた。

三輪山を下りた後に、再びJRで三輪駅から二つ目の柳本駅に向かった。三輪山だけでは時間が余るのでもう一山登ろうという計画だ。
柳本駅から駅正面の道を真っ直ぐ進み国道を渡るとその奥に崇神天皇陵がある。右手に折れた先に竜王山への案内標識があるのでそれに従う。これが今日二つ目の山だ。天皇陵の脇を通り山手に向かうと、右下に宝輝院の建物が見える。暑くなってきたので山シャツを脱いで身軽な格好になった。

今登っている道は「竜王山古墳群 中世山城跡探求ルート」とあるので竜王山山頂は城跡のようだ。舗装が途切れると山道らしくなってくるが、ずっと植林の中なので眺めが良いと言われている山頂までは展望は期待できない。頂上近くで林道と出会う。この合流点にトイレと田竜王社があり、車でも来られるようだ。その林道を少し登ると右手に山頂への登り口があって、階段を登っていけば山頂に到着する。山城跡らしい平坦で開けた山頂でここから奈良盆地が良く見える。見下ろすとさすがに大和は古墳だらけだ。少し風が冷たいので昼食はそこから一段下がった場所でとったが、今度は日が差して暑い位。

のんびり食事の後は林道出合まで戻り、そこからは長岳寺方面に下るが、こちらも終始植林の中の道で眺めはない。崇神天皇陵への道を分けると林を抜けて、カキ畑を見ながら下ればやがて長岳寺分岐に着く。時間がないので山門を遠目にしただけだが、お寺の前のツツジはまだ少し早く、八重桜が咲き残っていた。この後、柳本駅に戻り計画どおりに電車を乗り継いで名古屋に帰った。

今回登った二つの山だが、山登りの対象と考えるといずれも物足りない。竜王山の方は山頂からの展望があるだけまだマシだが、三輪山にはそれもない。ではご神体の山らしい荘厳で厳粛な雰囲気があったかと言えばそれも否で、あれだけ人がぞろぞろ登っていては神性を感じるわけがない。結局、何が良かったかと言うと、山自体ではなくてそれぞれの神社の前で手を合わせて余震がおさまるようにとお祈りが出来たことだ。苦しい時の神頼みと言うがこれで自分の気が済んだことが何より良かった。/福西

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GPSで記録した登山ルートの地図画像が見られます(画像ファイルは200KB前後です)
オンライン地図(山旅倶楽部)の2万5千全国地図とカシミールを使用していますが、画像を縮小している為、縮尺は正確ではありません
地図上で登山ルートを赤色の実線で表示しています。歩いたコースが往復で異なる場合や行動が複数日に
渡る場合は、色を変えている場合があります(例:登りを赤色、下りを紫色。一日目を赤色、二日目を紫色)