【日 程】平成23年8月16日〜18日 【山 名】朝日岳 【標 高】2,418.0m 【天 候】1日目曇り、2日目曇り、3日目曇り 【メンバー 】福福 【地 図】※デジタル地図の該当部分を切り出したもの 【タイム】 8/17 蓮華温泉キャンプ場5:41−−−6:47瀬戸川鉄橋6:51−−−8:21休憩8:31−−−9:35花園三角点9:36−−−10:00水場より5分10:20−−−11:35昼食12:12−−−13:35朝日岳13:40−−−14:24朝日小屋 8/18 朝日小屋6:08−−−7:35イブリ山7:45−−−7:59七合目8:23−−−8:49五合目9:02−−−9:42三合目9:50−−−10:20一合目10:38−−−11:04北又小屋 |
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一昨年の8月に栂海新道を歩こうと、麓の蓮華温泉まで入ったのだが雨に嫌気して温泉に泊まっただけでそのまま帰ってしまった。 今年はその雪辱と言うことで再び蓮華温から栂海新道を計画したのだが、4日間の行程の内、晴れと曇りマークが3日間続き、最終日は曇りと雨マークの予報になっていたので、ちょっと天気に不安がある。 入山日の1日目はJR平岩駅からバスで蓮華温泉に向かうだけなので気楽なものだが、平岩からのバスに乗ったとたんに雨が降り始め、初日から大いに気分を殺がれた。 それでも蓮華温泉に着いた頃には上手い具合に雨が上がって気力も持ち直したが、空模様は依然すっきりとはしてない。 この日は蓮華温泉のキャンプ場泊まりで、夜中に目覚めたら明るいのでキャンプ場の照明かと勘違いした程の満月が輝いていて、翌日のお天気は大丈夫そうだと安心した。 翌朝、雲は多めながらも青空も覗くというお天気の中を出発する。 蓮華温泉から途中の瀬戸川の鉄橋まではずっと下りで、その間木道が敷いてあるのだがこれが濡れて滑りやすく実に危ない木道だ。途中の兵馬ノ平は花の季節は終わって、秋の草花がちらほら見られる程度だった。 標高差で300m程下った瀬戸川鉄橋の脇で最初の休憩をとった。前回このコースを登ったのは平成10年7月で、その時の瀬戸川鉄橋は壊れていて,骨組みを伝って対岸に渡ったのだが、渡り終えたところに、橋は危険だから沢を徒渉するようにとの警告文を発見したのだが、後の祭りだった。 そんな話しをカミさんにしながら、瀬戸川からしばらく平坦の林の中を行くと次に白高地沢の河原に出る。下流側に新しい橋が見えたが、特にそちらへ誘導している標識もなかったので、真っ直ぐ対岸へ渡ってしまった。水量も多くなかったので沢を渡るのは容易だった。 白高地沢からしばらくは平坦だが、その後標高差300m程が登りらしい登りになり、この登りの途中で下山者と頻繁にすれ違うようになった。平日といえどもお盆休みで結構な人が登っていたようだ。「頑張ってー」とか「先はまだ長いよぉ」とか励まされたり、脅かされたりでで結構賑やかだが、それにしても彼等は随分早く山小屋を出て来たことになる。もっとゆっくりでも十分だと思うのだが、その理由は朝日小屋の朝食時間が南アルプスの小屋並に早いと言うことが判明して納得した。 この登りの途中でザァーと降ってきて、やむなくカッパを着込んだのだがこの雨はしばらくしたら上がった。やがて林を抜けて草原状の気持ちの良い道になったが、上空は日が差したかと思うと、また急に黒雲が湧いたりとカッパは脱いだものの何とも定まらない天気だ。それにしても馬鹿に汗をかく。特に腰から下が濡れるので変だと思っていたら水筒の口が開いてザック内に水が漏れていたのだった。慌てて道脇にザックの中身を全部出して点検したところ、特に大きな被害はなくてほっとした。 水は直ぐ下の水場まで戻って詰め直したが、このルートは水場以外でも水は容易に手に入るので、そう慌てることもなかった。ただ、水が漏れて濡れているのを、新品のズボンが蒸れて汗ばんでいるのだと勘違いしていた自分が可笑しかった。 昼食は八兵衛平の少し手前の木道の張り出し部分でとった。上に登ってくる程まだまだ花も豊富で、特に好きなハクサンコザクラが見られたのは嬉しかった。 八兵衛平から少し登ると吹上のコルで名前の通り風が強いところだ。このコルが栂海新道の入口になるのだが、ちょうどその方面から6人パーティが上がってきた。朝日岳山頂で写真を撮ってもらった時に少し話したのだが、このところお天気も思わしくなく栂海新道の登りはきつかったようだ。 朝日岳から下れば目指す朝日小屋で、最初は全行程テント泊の積もりだったのだが、カミさんの強い希望でこの日は二食付きの小屋泊まりにした。この判断が大正解だったことは夜になってから判明する。 この日の朝日小屋の宿泊者は30名程だった。1泊2食付きで宿泊料は一人9,000円。食事の内容は良い。最近の山小屋事情には疎いのだけれど多分食事の良い小屋の部類に入るだと思う。ただし、予約無しの当日飛び込みだと食事にありつけない事がある。現にこの日も4人パーティが食事の提供を断られていた。部屋の方は5畳程度の小部屋に静岡から来たという夫婦と相部屋になったが、食事内容部屋共に満足のいくレベルだ。 ただ、この小屋の特質なのかやたらと夜が早い。同部屋の夫婦との話しに夢中になって気が付くのが遅れたが、7時半頃には回りの部屋はどこも皆しーんと静まりかえって、起きているのは我々の部屋だけのような状況だった。別に騒いで迷惑をかけているわけではないのだが、それでは我々も寝ましょうかという事になり7時半に就寝となった。 夕方頃は小雨模様だったのが夜半から雷混じりの土砂降りの様相になり、これが明け方近くまで続いてほとんど眠る事が出来なかった。この日は富山県地方に大雨警報が発令されたとの事で、テント泊にしなくて良かったと胸をなで下ろしたものの、栂海新道への意気込みはすっかり消えてしまった。 翌朝、様子を見に出て見ると小屋の周りは濃い霧に包まれていかにも陰鬱な雰囲気だ。どのみち翌日は更に悪い天気予報なので眺めの無い時に歩いてもしょうがないと、栂海新道コースはキッパリ諦めた。 朝日小屋の朝食は5時からと聞いていたが、この日は更に早く4時40分には朝食の準備が出来たとの放送が入った。我々は弁当を頼んでいたのだが、今日は北又に下山するコースに変更したので、弁当は小屋の中で食べる事にして、食堂の隅でボソボソ食べていたら、小屋主のかおりさんが気を利かしてみそ汁を用意してくれたのはありがたかった。 小屋を出るのはゆっくり7時頃で良いかと思っていたが、ほとんどの登山客は既に出発してしまい、部屋の掃除も始まったので、結局6時過ぎに小屋を出た。 朝日小屋からは前朝日の裾を回ってゆるゆる下っていくだけで、特に急な下りがあるわけではないが、どうもカミさんのペースが上がらない。時々木の根で滑ったりしているので疲れているようだ。原因は前日の登りにあるのか、それとも昨夜寝られなかったからか分からないが、こんな状態で栂海新道に向かわなくて良かったとカミさんの歩き方を見ながら思った事だった。 途中のイブリ山山頂で一息入れたが、ここには10合目の標識があって、これより下には各合目の標識が設置されている。このコースをここまで来て引き返す人もいないだろうから、朝日岳を十合目としても良さそうなものだが、イブリ山にもそれなりのプライドがあるのだろう。イブリ山を下りはじめるとガスの下に出たようで、遠くの山並みが淡いシルエットで見られるようになるが、上部を振り返れば相変わらず厚い雲に覆われてて山の様子は覗えない。 この後、奇数合目毎に頻繁に休憩を取りながら下ったので終点の北又小屋まで、早い人なら3時間の下りに5時間もかかった。朝日小屋の清水かおりさん曰く、北又小屋まで中高年タイムが5時間だそうだから、正にその通りだったという事になる。ちなみにこのコースで一番キツいのは、最後に橋を渡って道路に出るまでの階段登りでここは誰でもこたえる。 北又小屋に着いて小屋番さんにタクシーを呼びたいと言ったら、後から4人組と2人組が降りてくるから乗り合わせて行った方が安上がりと言われてそうする事にした。朝日小屋から下山者の情報が入っているので、そういう配慮をしてくれるのはありがたい。平成10年の時にはここから小川温泉まで炎天下を歩いて下ったのだが、残念ながら今はそういう気力はない。 結局、途中で抜いた4人組とジャンボタクシーで乗り合わせる事になった。タクシーを待つ間にまた酷く雨が降り始めたが、小屋にいれば安心だ。 4人組も栂池新道を諦めて降りてきたそうで、何だか親近感を抱いてしまったが、横浜から来たという陽気な彼等は今日は温泉に泊まるのだと、途中の小川温泉で降りた。 なお、小川温泉から泊駅の間はどこで降りてもタクシー料金は同一である。また今年は地元の朝日町がタクシー代一人千円を補助してくれる制度を始めたので、今回のタクシー代は随分と安く上がった。ちなみにジャンボタクシーの場合北又小屋から泊駅までの料金は13,700円程度で、これから一人千円の6人分6千円の補助を引き、残りを6で割った金額が一人頭の額になる。この制度は来年以降も是非存続してもらって、次回栂海新道を目指す時はこちら側から入山する事としたい(^_^)/福西 |
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