山行報告>紅葉に間に合った虫倉山

2011/10/30

 
【日 程】平成23年10月30日
【山 名】虫倉山
【標 高】1,378.1m
【天 候】曇り時々雨
【メンバー 】Y井、J久、I田、Y田、ふく
【地 図】※デジタル地図の該当部分を切り出したもの
【タイム】
 古屋敷分岐8:21−−−8:48岩井堂登山口8:51−−−9:52小虫倉山10:03−−−10:47虫倉山10:55−−−11:44小虫倉山12:25−−−13:20岩井堂観音13:24−−−13:55やきもち家
       


登り損ねた山は割と気になるタチである。今回計画した虫倉山は平成11年12月例会で途中まで登ったのだが、雪の為に頂上は踏まずに引き返してしまった。その後、何度か計画は立てたものの実現せず、今回が12年ぶりの再挑戦になる。前回も宿泊した「やきもち家」という麓の宿は増改築されて広く新しくなっていて、以前は随分と寒い部屋で凍える思いをしたのを、その部屋の前を通って懐かしく思い出した。スタッフの対応は前回同様に親切で、バス停までの送迎もちゃんとやってくれる。

朝、一足先に長野へ戻るカミさんをバス停まで見送った後、残りの5人はやきもち家の手前の分岐で送迎車を降りて県道をしばらく歩く。
この辺りは山村の原風景を良く留めていると言われている。確かに平地の少ない所に家屋が点在する景色は山村らしい佇まいだが、一方で生活する側からすれば昔も今も厳しい環境である事は間違いないだろう。放置された空家を目にするといつまでこの景観を維持出来るだろうと思ってしまう。

しばらく登ると虫倉山の大きな絵看板があった。これで見ると虫倉山には7つの登山口がある事が分かる。長野県では低山の部類に入るであろう山にしては異例の多さと思う。登山口の数と登山人口は比例するわけではないが、人気がある山である事は間違いない。ここで県道と別れて右手の林道岩井堂峠線に入り15分程歩けば岩井堂コースの登山口に着く。お堂は登山口から直ぐの場所にある。

そう言えば昨日の大峰山からの下りに通った謙信の物見岩にも岩井堂観音があった。岩井堂で検索してみると各地にあるようで懸崖造り又は岩場にある観音堂に付けられているようだ。

登山口からしばらく山腹の道で一部に急登もあるのだが、歩いてみるとこの道はあまり利用されていない。岩井堂コースはどうもマイナーコースのようだ。

尾根に出る辺りから赤い紅葉が目につくようになった。歩き始めから小雨が降ったり止んだりの状態で空は鉛色なのだが、それでも時々ハッとするような鮮やかな赤が目に飛び込んでくる。この山に紅葉の時期に来られて良かった。別の登山口からの道と合流すると一旦植林の中に入るが、そこを過ぎればまた紅葉を楽しみながらの尾根歩きになる。登山口からちょうど1時間で小虫倉山に着いた。小広場状のピークには大姥神社の小さな社が12年前と同じ姿で建っていた。

小虫倉山からは下りになり最初の鎖場が現れる。この鎖場を下り目の前の小さな突起に登り返す辺りからは鎖場が連続するようになる。尾根が痩せている上に急登である。前回引き返したのはどの辺りだったろうと考える暇もなく、足場の位置や掴まる場所に神経を集中する。前回は一緒に行ったメンバーの内3名は頂上までこの道を登っている。雪のある時に良く登ったものだと改めて感心した。紅葉が消えて枯れ葉が目立つようになると虫倉山の山頂に到着だ。

広くもない山頂には山頂標識の他に方位盤、据え置き型の双眼鏡がある。ここから北アルプスの眺めも良いはずだが、雨が少し強くなって見えるのはせいぜい麓の人家くらいで後は雲の中だ。数枚写真を撮って直ぐに引き返す。
下りの方が緊張するのではと思ったが、鎖を掴んで後ろ向きで下りれば割と容易だった。鎖場を終えればまた紅葉を楽しむ余裕も出てきて、小虫倉山まで戻ればもう危険箇所は無い。

ちょうど雨も上がって、ゆっくり食事をとる事が出来たが、時間的にはあまりのんびり出来る状況ではなく、岩井堂観音から先の道路はかなり焦って下った。2時直前にやきもち家に着き、慌ただしく宿の車でバス停に向かったが、送迎場所である中条バス停では間に合わないかもしれないと、長野駅寄りの市ノ瀬バス停の方へ送り届けて貰った。

おかげで予定のバスに余裕を持って乗る事が出来たが、今度は長野駅からの電車に間に合うかどうかが気掛かりになった。バスの到着予定時刻と列車の出発時刻に8分しか余裕がないのでバスの到着が遅れれば予定の列車に乗り遅れてしまうのだ。ハラハラしながらバスに乗っていたが、案ずるより何とやらでバスは定刻通りに長野駅に到着し、乗り換え時間内にビールも購入出来て予定の列車に乗る事が出来た。

と言う事で今回は長年の懸案の山を解決し、かつ計画書通りの行程で締めくくる事が出来て、実にすっきりとした気分で家に戻る事が出来た。今後の例会もこのようにすっきりと終えたいものである。/福西

 トップページへ戻る             ポイント写真及び山の位置はこちら+t2g

次の山行報告へ


前の山行報告へ

GPSで記録した登山ルートの地図画像が見られます。
オンライン地図(山旅倶楽部)の2万5千全国地図とカシミールを使用していますが、画像を縮小している為、縮尺は正確ではありません
地図上で登山ルートを赤色の実線で表示しています。歩いたコースが往復で異なる場合や行動が複数日に
渡る場合は、色を変えている場合があります(例:登りを赤色、下りを紫色。一日目を赤色、二日目を紫色)