山行報告>2012年大雪周遊 2日目

2012/8/2〜5

 
【日 程】平成24年8月2日〜5日
【山 名】北海岳、間宮岳
【標 高】北海岳2,147m、間宮岳2,184m
【天 候】曇り
【メンバー 】福福
【タイム】
 白雲岳避難小屋天場5:34−−−6:05白雲岳分岐6:13−−−7:05北海岳7:23−−−8:05間宮岳8:23−−−9:15中岳温泉9:35−−−10:08裾合平10:16−−−11:12当麻乗越12:00−−−13:22六の池13:24−−−15:20愛山渓ヒュッテ
       


2日目の朝は曇は多めながらまずまずのお天気で、テントをたたんで5時半頃天場を後にした。時折、背後の白雲岳避難小屋を振り返りながら、気持の良い朝の空気の中を一登りすれば白雲岳分岐に着く。この時間には他に人影はなく静かなものだ。この先、北海岳までのルートは花も多く、坦々とした道が続く。一昨年にカミさんがスリップした雪渓は、今年は残雪量が少なくて段差も出来てない。

北海岳までは分岐から50分程かかった。前回大雪から十勝岳への縦走の折、黒岳石室から出発してから最初に登ったピークがこの北海岳で、ここで初めて十勝岳へ至る稜線の全貌を見て、その距離の遠さに圧倒されながらも、静かに闘志を燃やした覚えがある。何の変哲もないピークながら私には思い出深い場所である。

ここからお鉢を時計回りに松田岳、荒井岳と進み旭岳への分岐である間宮岳で一休みしている間に、2パーティが石室方面からこの分岐を通って旭岳に向かっていった。黒岳から旭岳へ、或いはその逆に歩くのは人気の縦走コースである。ところで地図にはこの分岐のところに2,185mの標高点が記されているので、間宮岳のピークはこの位置と思っていたが、山頂標識はその場所より150m程北に行ったところにあった。標高点イコール山頂ではなかったわけだが、どのみち間宮岳は山頂部が平坦でピーク然とはしていないので、この一点とこだわることもない。

その平坦な山頂からザレた道を下っていくと中岳分岐に着く。真っ直ぐ進めば中岳を経て黒岳方面に向かうが、我々は分岐から左手に尾根道を下り、1,898m標高点の先で左手前方向に折れて下りていく。目の下は中岳温泉でこの温泉に入るというのも今回の目的の一つであった。トラバース気味に下りていく道は、この時期は道がはっきりしているので問題無いが、想像していたよりは斜面の傾斜が急だった。と言うのも以前残雪のある6月に中岳温泉を通って旭岳へ周遊する計画を立てた事がある。その時は天気が悪く旭岳往復だけで終わってしまい、そのプランは実現しなかったが、もし出掛けていてもストック一本だけで雪の付いたこの斜面を登るのは困難だったと思う。

中岳温泉は湯船の形に掘ったような跡はあるものの、構造物の類は一切無い。他に人のいない事を良い事に、近くの岩の上に衣服を脱ぎ捨てて早速入ってみた。噴き出しているお湯の温度が高いので、かろうじて入れたのは廃湯溜まりのような浅い場所で、腰まで浸かっただけだったが、長年の憧れの場所だったので満足した。

中岳温泉から先はだだっ広い旭岳の山麓を巻くようにして下って行く。追い越していく人は無かったが、行き違う人は数パーティいた。入浴中に遭わなくて良かった。木道が現れると間もなく裾合平の分岐に着いて、ここで一息入れてから次の当麻乗越に向かう。途中、ピウケナイ川を徒渉するが、幸い靴を脱がなくても渡る事が出来た。当麻乗越は眺めが良く昼食等の大休止をするにはもってこいの場所で、この先愛山渓までは下りのみだと思うと、ぐっと気が楽になった。

ところが乗越からの下り始めは問題無かったのに、やがて狭い岩場の道になり、その岩の間はぬかるみという悲惨な道になった。当麻乗越から見下ろした時は、沼ノ平は大小の池塘が静かに水をたたえる別天地に思えたが、そこに至る道は酷かった。岩は濡れて良く滑るし、ぬかるみを避けるように歩くとちっとも捗らないし、この道だけは二度と歩きたくないと思ったものだ。ようやく六の池の木道に出て一息付けたが、ぬかるみは木道が終わってからもしばらく続いた。
なお、半月ノ沼の先にある松仙園へのルートは閉鎖されていた。
この日の目的地の愛山渓温泉には15時20分に到着した。

一軒宿の温泉だが通常の旅館と別棟で山小屋風の自炊棟があり、当然自炊棟に泊まったのだがこの日の宿泊は我々2人のみだった。愛山渓温泉へのバス路線が廃止されて久しく、交通手段はマイカーからタクシーに限られてしまった。殊に我々のような縦走者の場合は、愛山渓に辿り着いてもその先の交通手段がないとなると登り返すしかない。となれば客足が遠のくのはやむを得ないところだが、折角の良い温泉がもったいなく思える。何とか賑わいを取り戻して、宿の経営も長く続けて欲しいものだ。/福西

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