山行報告>低山ながら気持ちの良い山歩きができる、箕作山・太郎坊山

2012/12/8

 
【日 程】平成24年12月8日
【山 名】箕作山、太郎坊山
【標 高】箕作山373.5m、太郎坊山350m
【天 候】曇り
【メンバー 】T田、J久、Y田、I田、T橋、M上兄妹、Y井、福福
【タイム】
 市辺駅9:30−−−10:38岩戸山10:43−−−10:56小脇山11:00−−−−−11:22箕作山11:30−−−11:45みつくり君小屋12:33−−−13:08太郎坊宮13:15−−−13:25生願寺13:40−−−14:07太郎坊宮駅
       


12月例会の一日目は滋賀の箕作山・太郎坊山にした。
この山へ行くには近江八幡駅から近江鉄道に乗り換えて3駅目の市辺で下車する。ちなみに帰りは隣駅の太郎坊宮前から近江八幡駅に戻るのだが、それぞれの運賃は290円と350円で計640円となる。ところが近江鉄道では土・日・休日用のフリー切符を発売しており、西は貴生川から東は米原までの間が乗降自由で550円。 わずかだがフリー切符のほうが安い。これ鉄道通のM上さんに教えてもらった。

市辺駅から万葉の森の標識に導かれて、線路を越え八風街道を渡った所に阿賀神社があり、その背後にある船岡山が万葉の森ということらしい。神社裏手から登り着いた所に万葉集の中でも良く知られた「茜さす紫野ゆき標野ゆき野守は見ずや君が袖振る」の額田王の歌碑やこれに対する大海人皇子の返歌「紫のにほへる妹を憎くあらば人妻故に吾恋ひめやも」をそれぞれ漢文で表した石碑もある。額田王は大海人皇子のかつて愛人であり、歌の詠まれた頃は大海人皇子の兄である(異説あり)天智天皇の側室だったとされている。

いかにも人目を忍ぶ恋の歌という体裁ではあるが、実際は受け狙いの座興として披露された歌というのが現代では定説になっているようだ。
そんな歌の背景はともかく、言葉のリズムといい展開といい、良い歌だと私は思う。
万葉の森には他にコンクールでの優秀作の歌碑も並んでいる。

船岡山を下って一旦道路に出てから、お盆山の裾を通りため池に沿って進むと岩戸山への登山口がある。岩戸山は聖徳太子が爪で掘ったとされる十三仏の磨崖仏がある山で、箕作山はその峰続きになる。登山口の広場を清掃中の男性がいたので、御苦労さまと一声かけて山に入る。おそらく地域で登山道や十三仏の管理をされているのだろう。大事にされている山のようだ。登山道の両脇には数多くの石仏が並び、信仰の山であることが良く分かる。岩戸山は巨岩の積み重なった山頂で、お堂の他に岩戸神明の社、トイレの施設まであるがこれは閉鎖されている。残念ながら十三仏を見ることはできなかった。後から調べてみるとどうもお堂の中にあるらしい。

岩戸山からはすぐに次の小脇山ピークに着く。
山頂には小脇山城遺跡の解説板があり、見張り台の跡との説明があった。

小脇山から先も歩きやすい稜線の道が続くが、空模様の方があやしくなってきた。北風が冷たく、雪でも降りだすのではという雰囲気。箕作山山頂に着く頃にはぽつぽつと冷たい雨が落ちてきた。計画ではここで昼食の予定だったが、屋根のあるところまで下ろうということで、パンを口の中に押し込んで直ぐに出発する。途中の瓦屋寺への寄り道はパスして下り続けると、太郎坊山への登り返しが始まる手前に周りを笹で囲んだ時代劇に出てきそうな感じの小屋(みつくり君休憩所と書いてあった)があったので、そこを休憩場所にした。風は通り抜けるが、一応屋根もあり、テーブルも置いてあるのでおあつらえ向きの場所だった。

幸い昼食の間に雨も上がり、アルコールも程よく回って気持ちよくなったところで、ではボチボチと出発すると、直ぐに分岐があるので右手の太郎坊山へ向かう。わずかな登りで到着した山頂は麓の眺めが良く、天気が良ければ長居したくなるような気持の良い場所だったが、この日は風が冷たくてそうはいかなかった。

分岐に戻り更に下ると夫婦岩という巨岩の隙間から太郎坊宮の境内に入る。寺の奥の院が山肌にへばりつくように配置されていて、平場を作る為に高い石垣が組まれている。寺の施設全体としてはかなり大規模なもので、参拝客も多そうだ。
一般の参詣客とは逆に下へ下へと下りていき、長い石段を下りきれば道路に出る。振り返ると太郎坊山の鋭い三角形の山容が見事で、中腹の太郎坊宮の建物群もなかなかのものだ。よくぞこの場所に建てたという思いがする。

後は道路を道なりに下っていくと自然と太郎坊宮前の駅に着いてこの日の山歩きは終了である。この先はまた電車を乗り継ぎながらこの日の宿のある近江高島に向かい、宿に着けば今年の締めくくりの忘年会が待っている。電車を待つ間にビールをぐいと明ければ、何だかもう宴が始まったような気分になった。/福西

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