山行報告>道のない山から霧訪山へ

2013/5/2

 

【日 程】平成25年5月2日
【山 名】霧訪山
【標 高】1,305.4m
【天 候】晴れ
【メンバー 】福福
【タイム】
 鳴雷山登山口10:22−−−11:05鳴雷山11:12−−−11:38お上人山11:39−−−12:30尾沢峠12:33−−−12:54送電線鉄塔13:12−−−13:37エボシ13:38−−−14:03霧訪山14:39−−−15:16霧訪山登山口15:20−−−15:38小野駅
       


霧が訪れる山と書いて「きりとうやま」と読む。霧が訪れるとはロマンチックな名だが、意外と展望の山で北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ケ岳等の山がぐるっと360度見渡せる。また春の時期はオキナグサが見られることでも有名である。以前(平成9年7月)に登った時はそんな事は知らず、山の名自体も初耳だった。その時は南側集落の小野から登ったのだが、肝心の展望に恵まれなかったので印象が薄い。

今回はガイドブックに紹介されていた、鳴雷山から霧訪山までの縦走コースを歩いてきた。はっきりした登山道もない尾根を歩くので、適期は冬から早春までとされているが、実際に歩いてみると想像通りの藪尾根で、枝葉が茂ってくるような季節はやはり不向きだろう。

JR塩尻駅でタクシーの運転手さんに鳴雷山と言っても通じなかったが、地図を見せて近くまで行き、散歩中の住人に確認して登山口の場所は分かった。登山口の標識もあるので、地元の人に尋ねれば間違いなく来られるはずだ。
カラマツの林に入ると直ぐに分岐があって、右手の大門先コースと左手の中コースに分かれるが、一見して中コースの方が踏まれているので左手に進む。杉の植林地になって大きくジグザグを切りながら標高を上げて行き、桟道を渡った先で尾根に出ると、頂上まで約10分と右手を指し示した標識があり、その通り進めば石仏の前を通って社のある鳴雷山山頂に着く。

山頂で小休止の後、先ほどの標識まで戻り、更に尾根を進むと送電線巡視路との分岐が2個所あるが、15番標柱の所を右折してお上人山に向かう。尾根の右手(西側)は止め山ということで入山禁止の張り紙やビニールロープの他に古い有刺鉄線があるので気を付けないと怪我をしそうだ。踏み跡の薄い歩きにくい尾根を三角点のあるお上人山まで行ったが、お上人山からその下にあるお上人岩までが更に悪かった。踏み跡も消えた上に急斜面の下りである。

岩場に出たのでそこがお上人岩かと思ったのだが、そうではなくそこから岩尾根が続いていた。その岩尾根の西側を巻くように進んでお上人岩の下に出てから、尾沢峠に向かったが、有刺鉄線に阻まれて自由なコース取りができず相変わらず歩きづらいルートだ。そんなコースも尾沢峠に着いてからはしっかりした踏み跡に変わり、ぐっと歩きやすくなった。おそらく麓の山ノ神自然園から霧訪山への道としてわりと登られているのだろう。何より有刺鉄線と別れられたのはありがたかった。

送電線鉄塔の所でパンを食べて空きっ腹をなだめてから一登りすると一本ヒノキのあるエボシに着く。ここから東の尾根を下り、最後の霧訪山への登り返しに入る。樹間からお上人山や鳴雷山を見下ろすことができるが、ここから見る限りは易しい山容だ。登り返しの尾根にこれまで見かけなかったカタクリの花を見るようになったが、残念ながらオキナグサは発見することができなかった。

短い急登を終えると待望の霧訪山山頂で、他に誰もいない頂上で方位盤に書かれた山名と実物とを確認して眺めを満喫した。ぐるっと360度のパノラマ写真も撮ってみたが、これはちょっと失敗してしまった。昼食をとり終えた頃に3人組の女性達が登ってきたので、そろそろこちらは下ることにする。小野集落に向かって南東に延びる尾根を下ると、ここにもやはり茸山に付き入山禁止の表示があるが、張ってあるのはトラロープなので危険はない。青いトタン屋根だけの避難小屋、送電線鉄塔、御嶽山大権現の石碑と、これらは前回登った時にも写真に撮ったように思うが、避難小屋の下にあった新道分岐はちょっと記憶がない。ひょっとすると新道は以前はなかったのかもしれない。

順調に下ってJR小野駅に到着したのが15時38分。しかし、この26分前に塩尻行きは出た後で、次の塩尻行きは17時11分、更に今日の宿泊先の長野まで行くには18時3分まで電車はない。しかも駅待合室は15時で閉鎖。うーんローカル過ぎる。

でも悪い事があれば良い事もある。この後小野宿の重厚な建物群を見て、小野酒造という造り酒屋で酒を買ったついでに教えてもらった「こめはなや」という農家カフェは良かった。利き酒セットなるメニューがあって楽しめた上に、閉店時間を過ぎても店に居させてくれて、更に帰り際には草餅のお土産まで頂いてしまった。
長い待ち時間のおかげで楽しい交流ができた。又行かないと。/福西

 トップページへ戻る             ポイント写真及び山の位置はこちら

次の山行報告へ


前の山行報告へ

GPSで記録した登山ルートの地図画像が見られます。
オンライン地図(山旅倶楽部)の2万5千全国地図とカシミールを使用していますが、画像を縮小している為、縮尺は正確ではありません
地図上で登山ルートを赤色の実線で表示しています。歩いたコースが往復で異なる場合や行動が複数日に渡る場合は、色を変えている場合があります(例:登りを赤色、下りを紫色。一日目を赤色、二日目を紫色)