【日 程】平成25年7月31日
【山 名】暑寒別岳 【標 高】1,491.5m 【天 候】曇り 【メンバー 】福福 【タイム】 南暑寒荘5:37−−−6:45湿原入口6:54−−−7:39雨竜沼展望台7:44−−−8:56南暑寒別岳9:10−−−10:251,305m10:32−−−11:14暑寒別岳11:38−−−13:24南暑寒別岳13:34−−−15:15湿原入口15:22−−−16:19南暑寒荘 |
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札幌岳を下りてから定山渓温泉で汗を流し、その後、暑寒別岳の登山口にある南暑寒荘に向かって車を走らせて、目的地の駐車場に着いのは午後5時を過ぎていた。広い駐車場の先に巨大な自家発電装置の入った建屋、その隣に管理棟があるので、そこで宿泊の手続きをする。宿泊場所は管理棟から50m程離れた別棟になる。1991年に建て替えられたとかで、外観を見て割と綺麗そうだなぁと思いつつ中に入ったら想像以上の立派さに驚いた。
この宿泊棟は2階建てで吹き抜け構造になっていてフローリング床。宿泊室は1階に一部屋、2階に3部屋、合わせて4部屋あり、各部屋それぞれ10名程度は宿泊可能と思われる。今回は我々を含め3組しかいなかったのでグループごとに一部屋与えてもらえて、個室として使えた。 設備はIH調理器(ガスコンロなどの火器は使用禁止)、水道(生水可)、共用冷蔵庫、温水シャワー設備、水洗トイレと至れり尽くせり。各部屋にはコンセントがあり、docomoも通じる。 山小屋というよりは別荘という感じ。 これで宿泊料が一人千円と清掃協力金500円の1,500円と格安。ビールは管理棟で販売していて、ロング缶が500円とこちらも良心的。あまりの快適さに結果2泊してしまった。 翌朝、5時半過ぎに出発する。帰りは3時と管理人さんに伝えていたが、これは見込みが甘かった。暑寒別岳に登るなら遅くとも4時頃までには出発したほうが良いようだ。 しばらく林道のような道を行き、吊り橋を渡ってから登山道に入る。雨竜沼湿原までは緩い登りだ。途中に白竜の滝というのがあるがそれほど水量はなかった。その滝の上部で沢を渡り対岸の登りは少し急になるが、再びなだらかな道になると、やがて東西4km、南北2kmという広大な湿原が見えてくる。 湿原入口には靴洗い場があって、外部の種子等を持ち込まないように配慮されている。花の最盛期はこんなものではないのだろうが、それでもアヤメ、エゾキスゲ、ワタスゲ、エゾキンバイ、シモツケソウ、フウロソウの仲間等など。じっくり見ていけばもっと色々な花も見られると思うが、今日の我々は先を急ぐ。 湿原横断に40分以上かかり、最後に展望台から俯瞰した後は南暑寒岳に向かって真っ直ぐ西に進む。途中、羆が植物の根を狙って土を掘り返した跡が何箇所もあると同宿者から聞いていた場所を緊張しながら通り過ぎ、その後は気持ちのよい尾根道を登って南暑寒岳に到着した。 ここから見ると暑寒別岳はまだまだ遠い。おまけに山頂部が黒い雲に隠れているので、それを見ているこっちの気持ちまで暗くなるが、意を決して出発する。最初はロープを伝った標高差200m程の急な下りで下りてから南暑寒岳を振り返るとまたこれを登り返すのかと思うとげんなりしてしまう。 最低鞍部を過ぎ登り返しにかかった途端、ザーッと雨が降り出してきて、慌ててカッパを着込んだが、着終わった時には止んでしまった。しばらくはそのまま着て歩いたものの暑くなってまた脱ぐ。聞くところによると今年は残雪が特に多いらしいのだが、尾根の左右、地図の池塘マークや沢筋に豊富に残っているのはさすが増毛山地だ。 それほどの急登ではないのだがとにかく長いので疲れを感じる。そんな時、ガスの中にタカネナデシコの鮮やかなピンクを見つけて少し元気がわいた。崩落したガレ場に健気に咲く高山植物はまるで登山者を応援してくれているようだ。 山頂まで500mの標識を過ぎて尾根を少し回りこむと、山頂のお花畑が現れる。ヨツバシオガマやイワイチョウ、まだ種子になっていないチングルマ等。苦労した後のこういう出現は嬉しい。正に別天地で、これで晴れていれば言うことなしだ。 小さな祠のある山頂はガスで眺望はなかったが、到着してやれやれという感じだ。2羽のアマツバメが凄い風切り音を残して、我々の頭上を飛び回っている。ひょっとしたら巣でもあって、侵入者の我々を威嚇しているのかもしれない。 帰りのことを考えるとあまり長居はできない。20分程頂上で過ごした後に来た道を引き返した。 この日、山荘に戻り着いたのは予定の15時から大きく遅れ、16時を過ぎていたので、下山は諦めて山荘に連泊した。 暑寒別岳は山荘出発から帰着まで一人も出会うこともなく、人影を見ることもなったのは北海道の山とはいえ稀なことだったと思う。南暑寒岳までの登山者は多いようなので、行動時刻のずれにより出会わなかったのかもしれないが、静かで長いコースの山が好みならこの山は勧められる。 トップページへ戻る
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