【日 程】平成25年11月19日
【山 名】筑波山 【標 高】877m 【天 候】晴れ 【メンバー 】福福 【タイム】 いでむら駐車場7:33−−−7:43白雲橋コース登山口7:44−−−8:46迎場コース分岐−−−8:46−−−9:22女体山9:30−−−9:53男体山9:55−−−10:01休憩10:17−−−10:22御幸ヶ原コース入口10:31−−−11:36筑波山神社本殿11:44−−−11:46いでむら駐車場 |
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目立つ山である。関東平野に忽然とそびえるその姿は、高い建物が少なかった時代ならほぼ関東一円から望むことができたのではないだろうか。 それ故に今も昔も登る人の絶えない人気の山となっている。 深田久弥は百名山を選定するにあたって、おおよそ標高が1,500m以上の山であることを望んだが、この山はそれに及ばぬ標高(876m)でありながらあえて選んでいるのは、おそらくこの山が古くから人々の生活と深く結びついている点に着目したのだろう。 しかし、現在の筑波山は一般的に山の持つ深遠さのイメージとは程遠い、ごく通俗的な場所に成り下がってしまい、山登りの対象としては見ていなかったのだが、百名山を目指すと宣言した以上外す訳にはいかない。ここはとっとと登ってしまおうと出かけてきた。 東京から常磐自動車道を経由すれば2時間弱で麓の駐車場に着くので、そこから筑波山神社本殿の前を通り、境内を通り抜けると直ぐに登山口の案内がある。石の鳥居を潜って登山道に入ると、周りは照葉樹の林で紅葉するような木々は見当たらない。 迎場コース分岐までは遊歩道的な道でその先から段々山道ぽくなる。杉林の中にある白蛇弁天の祠を過ぎ、標高を上げていくがまだ林の中まで日は射さなくて、ひんやりした空気が辺りを覆っている。神域として守らられてきたからであろう、時折巨木も見かける。ひときわ目立つ杉の巨木を過ぎた辺りから林に広葉樹が混ざるようになって、黄色い紅葉が頭上を覆う箇所もある。 途中の広場でつつじヶ丘からのコースが合わさり、この先からいよいよ巨岩が点在するこのコースの核心部に入っていく。最初は「弁慶の七戻り」と名付けられた石門で、頭上の岩が落ちてきそうなので弁慶が七戻りしたと説明がある。以後、社のある「高天原」、母の胎内くぐり、陰陽石、国割り石、出船入船、裏面大黒、北斗岩、大仏岩とそれぞれの岩に説明が付けてある。こういうものを見るとやはり観光地としての色合いを強く感じる。 最後に登りつめると、真新しい玉垣に守られた社殿のある女体山山頂で、社の前の岩場が展望場所になっている。この日は天気は良かったのだが、眺望の方は今ひとつで、ここから南西方向にある富士山も雲に隠れていた。一方、反対方向の社の裏手側からは日光連山が良く見えた。あちらにも女峰山と男体山があるが、筑波山と対になっているようで面白い。風が冷たいので長居せずに男体山の方へ向かうことにする。 この先にも名前の付いた巨岩があるが、せきれい茶屋の前にあるセキレイ岩の「この岩の上にセキレイが留まり、男女の道を教えたといわれています」の解説には思わず笑ってしまう。 土産物店が並ぶ広場を通り、ケーブルカー駅舎の先からもう一つのピークである男体山に登り返す。女体山より若干標高の低い男体山山頂には小ぶりな社があるが、休憩に適した場所はないので、少し下った所にあるベンチで昼食にした。 下山はケーブルカーの山麓駅と山頂駅を結ぶように走っている御幸ヶ原コースを使う。 御幸ヶ原とは男体山と女体山の鞍部の広場あたりを指すのだが、それぞれの峰の祭神である筑波男大神(イザナギ)と筑波女大神(イザナミ)がこの場所を行き来したというのが名前のいわれだそうだ。なるほどこれでセキレイの説明も納得がいく。 このコース途中には男女川の源流とされる、水の滲み出す箇所があり、傍らに百人一首でも名高い「筑波嶺(つくばね)の峰より落つる男女川(みなのがわ)恋ぞつもりて淵(ふち)となりぬる」(陽成天皇)の歌碑がある。 コースを行き交う登山者は多く、一般的なハイカー、観光客の他に自衛隊の訓練とか幼稚園児の集団とか、各種、各様の老若男女が入り乱れて登ってくる。 一方、道の方は浮石が多くあまり歩きやすい道ではなく、案の定カミさんがスリップしてしまう。幸い怪我もなかったが、次に私がスリップした時には、運悪く岩の角に脇腹上部が当たってしまい、思わず呻いた。しばらく立ち上がれずにいると、下から上がってきた登山者に「山では下りの方が危ないんですよ。気をつけてください」と言わずもがなの説教を受けて、情けなさもひとしおだった。 打った箇所が背中なので、歩いて下りるのには支障なく、そのまま筑波山神社に下り、とっとと登ってしまおうと思ったのが、神様のご不興を買ったのかなぁと思いつつ、本殿で再び手を合わせた。これで神様のお怒りが解ければ明日も登れるだろうと、この後、丹沢を目指して車を走らせた。 トップページへ戻る
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