【日 程】平成25年11月20日
【山 名】蛭ケ岳 【標 高】1,672.7m 【天 候】快晴 【メンバー 】福福 【タイム】 塩水橋6:15−−−6:56ワサビ沢分岐(ショートカットコース)7:06−−−7:28堂平7:30−−−8:26天王寺尾根分岐8:36−−−9:10丹沢山9:18−−−10:48蛭ケ岳11:11−−−12:03不動ヶ峰休憩所12:21−−−12:50丹沢山13:00−−−13:56塩水橋へ3.8km標識14:04−−−15:14塩水橋 |
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蛭ヶ岳には1988年のやはり11月下旬に登っていて、この時はもっともポピュラーな大倉尾根から登り蛭ヶ岳の山荘で一泊した。食事がパックご飯の味気ないものだった事や布団が氷のように冷たくてなかなか寝付けなかった事等、この山荘の良いイメージはない。今は経営者も変わったようなので、当時とは様子が変わっているとは思うが。 今回は日帰りで計画したので、より短いコースで登れる東丹沢に宿を取り、まだ夜の明けない内に登山口のある塩水橋に向かって車を走らせた。前日の内に下見しておいた塩水橋袂の駐車場には既に車が一台停車していて、我々が出発準備をしていると母娘と思しき2人連れが出てきて、我々が登るのなら後を付いて行っても良いかと聞かれる。よほど心細い思いをしていたらしい。辺りが薄明るくなった頃、その母娘は先に出発して行き、我々が後を追う形になった。 閉鎖された林道を少し登ると、橋の袂に標識がありそこから本谷川コースが分岐するのだが、その表示が塩水川コースの表示板の陰になっていたのでつい見逃してしまう。 その塩水川沿いの林道の途中で母娘を追い越し、深く息を吸うたびに前日強打した背中に痛みが走るのを我慢しながら小一時間も登ると、道路脇の標柱にワサビ沢出合いと手書きの案内があった。このまま林道を進んでも同じ所へ出るのだが、登山路としてはここからワサビ沢を渡って尾根を登るショートカットコースになる。暑くなったので薄着に着替えている間に、件の母娘がここからも先行していった。 ワサビ沢を渡るとコンクリートで固めた道が現れ、直ぐに赤テープがあって左手に薄い踏み跡が見つかる。コンクリートの道を外れその踏み跡に入ると、急な尾根の登りになって道も明瞭になる。急登を登り切ると国交省の堂平雨量局の施設の脇に出て、再び先ほどの林道に合流する。その林道を横切った先の登山道は堂平の名前の通り緩やかな傾斜で続いていた。 気にかかるのは先行した母娘のことで、ここに至るまで全くその姿を捉えることが出来なかった。それ程の快足とは思えないので、赤テープに気づかずコンクリート道を進んでしまった可能性がある。しかし、どうすることも出来ず、早く気づいて引き返してくれることを祈るだけだ。 途中で鹿の群れに出会った。単独の鹿を見かけることはあるが、立派な角を持ったオスジカを中心にした6〜7頭のグループに出会うというのも珍しい。丹沢は相変わらず鹿が多いようだ。緩い道の後に日陰の寒い斜面に入り、霜柱を踏みながら登るとやがて天王寺尾根の分岐に着く。ここが標識を見逃した本谷川コースとの合流点で、この先から道は一本になる。 気持ちの良いブナ林を過ぎ、小さな岩場を越えてしばらく行くと、再び傾斜は弱まるが木道(木製階段)が連続するようになる。丹沢はこの木道と鹿よけフェンスの整備が進んでいるようだ。やがて主尾根に出て左手に進むとみやま山荘の建物があり、その先の丹沢山山頂からは見事な富士山が見渡せた。 ひとつ気になったのはそこにある「日本百名山 丹沢山 1,567.1m」の標識で、これだと丹沢山という固有名の山が百名山のように思われてしまう。日本百名山に取り上げられた丹沢山は著者の深田久弥も言っているのように、丹沢山系の総称であって、丹沢山という名の山だけを指しているわけではない。併記された標高が山系の最高峰である蛭ヶ岳のものであることからもそれは明らかである。そう目くじらを立てる程の事でもないのかもしれないがちょっと気になった。 ここから見る蛭ヶ岳は一時間もあれば着きそうなくらい近くに感じるが、実際にはアップダウンがあってそう簡単ではない。加えてこの時期特有の問題として、霜柱が溶けて道がぬかるみ状態になって歩きにくいという事もあり、丹沢山から1時間半以上かかって蛭ヶ岳に到着した。残念ながら25年前の記憶は蘇ってこなかったが、あの時はこんなに良いお天気ではなかったので、展望も良くなかったのだろう。 日帰りだからあまりゆっくりする積りはなかったものの、それでも20分程過ごして眺めを堪能した後、来た道を引き返した。帰りは背中の富士山を振り返りつつ、途中の不動ヶ峰休憩所で昼食休憩をとってから丹沢山に登り返す。丹沢山から先は天王寺尾根分岐を本谷川コースに取り、順調に尾根道を下った。 ところが、特に問題のない道だったのに、塩水橋まで60分の標識付近で、右足を木の根に取られ頭から転倒。とっさに着いた左手中指の腱を痛めた。昨日に引き続きの転倒、さらに言えば10月の雨飾からの帰りの駅での転倒と、たまたま起きたというには続き過ぎている。 おそらく老化により咄嗟のリカバリーが出来なくなっているという事だが、その要因は全身の筋力の低下であろう。こんな状態で山登りを安全に続けられるものかどうか、暗澹たる思いで下山したが、百名山への挑戦に早くも暗雲が垂れこめてきた感じがする。 トップページへ戻る
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