日 程】平成26年5月24日
【山 名】国見岳 【標 高】1,175m 【天 候】晴れ 【メンバー 】福福 【タイム】 湯の山温泉バス停9:43−−−10:43藤内小屋10:54−−−12:00ゆるぎ岩12:19−−−12:34国見岳13:29−−−13:53国見峠13:53−−−14:48藤内小屋14:51−−−15:40湯の山温泉バス停 |
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鈴鹿の国見岳は御在所岳の直ぐ北にある標高1,175mの山で、山頂に三角点はなく国土地理院の二万五千図にも山名の表記はない為、地味な印象を受ける山なのだが、それなりに登られている。
我々も好天気の一日を選んで出かけてきたが、国見岳を目指して登るのは21年ぶりの事だ。 3週間前の御在所、鎌ヶ岳登山の折りに通ったばかりの湯の山温泉旅館街の坂道を行き、翠明橋を渡った所で右手のロープウェイ乗り場への道に入ると正面に階段がある。階段の傍らに一合目の標識があるが、これを登るのが御在所の裏登山道(通称裏道)で、御在所岳への最もポピュラーな登山道であり初心者にも人気のコースである。2008年9月の集中豪雨で大きな被害を受けているのだが、今回はその後の様子を見てみたいと思ってやって来た。 階段から続く坂道を登り切った所に蒼滝不動があり、そこから山腹の道を進むと沢に出て以後は沢沿いに登っていく。鈴鹿スカイラインの高架橋をくぐった先に駐車場があり、車で来た場合はここが登山口になるので登山ポストも設置されている。土曜日とあって結構な数の登山者で賑わっていた。河原には大量の土砂が堆積していて、新しい堰堤も数カ所設置されていたので、もうこの辺から私の記憶とは随分様子が違う。 この先に日向小屋への分岐が出来た事も変わった点で、以前は分岐など無くて日向小屋の前を通って道が続いていたのだが、今は対岸に渡って小屋を経由するコースと右岸側を高巻きするコースに分かれている。日向小屋自体も建て替えられて新しくなっていた。 沢を渡り返して次の藤内小屋までは沢の様子は変わっていたが登山道自体は以前のとおり道で、辿り着いた藤内小屋も外観は以前のままだったのでほっとした。豪雨の時に土石木の流入はあったが、幸い倒壊には至らなかった為、ほぼ原形通りの復旧が可能だったようだ。 しかし、大賑わいの小屋前から先に進むと沢の様相が一変していた。山肌がむき出しになり押し流された岩が累々と積み重なっている様子に、昔の風景を思い出すことなど不可能だった。この景色がどこまで続いているかは帰りに確かめることにして、我々は沢を渡って直ぐの国見尾根に取り付いた。以前はこの道ではなく三岳寺跡を経由してから尾根に上がったのだが、今はそのコースは通行止になっている。 取付からは急登が続く。さすがにアカヤシオの花は終わっているが、今はシャクナゲが盛んで、シロヤシオも時折混じって咲いているので花を楽しみながら登ることが出来る。1004pを過ぎると傾斜も緩んで見晴らしも少し良くなり、気持よく登って「ゆるぎ岩」の所で一息入れた。ゆるぎ岩は人が乗ると動くとも言われているが、カミさんが乗った程度ではびくともしなかったそうだ。 この場所からは岩登りのゲレンデである藤内壁を見下ろすことが出来、一ノ壁や前尾根を登るクライマーを遠望できるが、それぞれ1パーティの姿しか無く、土曜日にしては寂しい状態だ。ゆるぎ岩から更に傾斜の落ちた尾根道を行くと県境の主稜線に出て、右にわずかに登れば国見岳山頂だ。御在所岳のような喧騒はなく、落ち着いて休憩の取れる良い雰囲気の頂上である。ゆっくり休憩をとった後は、頂上の直ぐ下にある石門にも寄ってから国見峠に下り、国見峠からは御在所へ向かう道と別れて裏道を下る。 裏道の下りは歩いてみると沢の様子は別として、登山道自体はあまり変化はないように思えた。しかし、藤内沢出合からしばらく下ると様子が変わる。沢幅が広がって土石流で押し出された岩と砂利の中にルートを探るようなコースになるのだ。 ウサギの耳の泊まり場という正式なキャンプ地ではないのだが、私もテントを張ったことの有る場所は、綺麗になくなっていてかつての痕跡を見つけることも出来なかった。この場所にまた草木が生えて、落ち着いた風景に戻るには何十年かかるのだろう。その長さを想像するだけで気が遠くなる思いだが、反面、昔と変わらぬ藤内小屋の佇まいと、その小屋の周りが以前にも増して若者達で賑わっているのを見て、ホッとした思いの今日の山行だった。 トップページへ戻る
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