【日 程】平成26年5月30日〜31日
【山 名】日出ヶ岳(大台ヶ原) 【標 高】1,695.1m 【天 候】1日目曇り、2日目晴れ 【メンバー 】福福 【タイム】 5/30 大杉谷登山口12:27−−−13:55千尋滝14:01−−−14:46シシ渕14:56−−−15:48桃の木小屋 5/31 桃の木小屋5:45−−−6:06七ツ釜滝6:08−−−7:28堂倉滝7:29−−−8:24堂倉小屋8:42−−−9:44シャクナゲ平9:57−−−10:34日出ヶ岳10:39−−−11:17尾鷲辻11:38−−−12:04大蛇ぐら12:07−−−12:46シオカラ谷吊橋12:46−−−13:17大台ヶ原駐車場 |
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大台ヶ原の最高峰、日出ヶ岳へはドライブウェイを使うと、終点の駐車場から40分の登りで着いてしまうので少々あっけない。
前二回は大杉谷から入渓し途中1泊して日出ヶ岳へ登っているので、今回もそのコースで登ることにした。 ちなみに日本百名山の著者である深田久弥が最初に登った時は、途中に入之波の集落を通って大台ヶ原登山口から登ったとあるので、おそらく筏場からのコースを利用したのだろう。その数年後に再訪した時には既に自動車道路が通じていたので、行きはそれを利用し帰りは大杉谷へ下ったとある。ということは彼は道路が通じる前の昔の大台ヶ原を知っていたわけで実に羨ましい。 ところで我々の登った大杉谷登山道は平成16年9月の台風21号による被害により10年間通行不能の状態であったのが、今年の4月25日の山開きの日から全線の通行が可能になったばかりで、その復興後の様子が気になっていた。 この再開に合わせてアプローチも変わっていて、以前は松坂からバスで大杉まで行き、そこから渡し船で宮川貯水池を渡って登山口に到着していたのが、今は大台町にある道の駅「奥伊勢おおだい」から事前予約のバスに乗ると、そのまま登山口まで運んでくれるようになっている。 1日目 大杉谷から桃の木小屋 出かけた当日は2台の小型バスに合わせて20数人の登山客が乗り合わせ、途中1回の休憩を経て予定の時刻に登山口に到着した。バスを降りた乗客がそれぞれのペースで出発していく中、東屋でのんびり昼食を済ませた我々が最後尾になった。登山口から直ぐに宮川第三発電所が有り、その先から岩壁に鉄グサリを付けた登山道が始まる。 大杉谷の魅力は当然ながら豊富な水量による渓谷美で、その渓谷美を代表するのが各所に懸かる豪快な滝という事になる。1日目の見所の滝は登山口から1時間半程歩いた所にある千尋滝で、この滝は対岸の高みから放出されるような具合に水が落ちてくる。ただ、以前見た時より水量が少なく感じたのは梅雨入り前という季節のせいだろう。次はそこから40分程歩いた所のシシ渕から見るニコニコ滝で、この場所は格好の休憩ポイントになっていて、先発のメンバーが思い思いに休んでいた。このコースでは滝見用に作られた東屋以外には休憩適地は殆ど無いのだ。 この日の宿である桃の木小屋には16時前に到着した。小屋の外観は以前と全く変わってなく、ちなみにこの日の夕食はカツカレーで、確か20年前に泊まった時の夕食と同じのような、、、、。昨年から営業を再開したそうだが、メニューの方は心機一転とはならなかったようだ。 さて、一日歩いた見た登山道の様子だが吊橋は架け変わっていたが、ルート自体は若干高巻きコースが増えたかなぁという感じで、ほとんど変わっていないという印象だった。明日のコースはどうだろう。 2日目 桃の木小屋から日出ヶ岳・大蛇ぐら・大台ヶ原駐車場 朝、小屋を出発して20分強で本コース中最も美しい七ツ釜滝に到着する。この滝は東屋から見るよりも少し登った所から見た方が全体が良く分かる。 この七ツ釜滝と次の光滝の間に大崩壊地がある。ちょうど河原が広がった辺だが、右岸側の岩壁が崩落して岩塊が河原に押し出されている。当然、以前の登山道はその下に埋もれてしまったわけで、水の力の恐ろしさが伝わってくる場所だ。 光滝の後、隠滝は見えずに通過して最後の滝が最大の釜を持つ堂倉滝だ。堂倉滝は支流の堂倉谷に懸かる滝だが、本流との合流地点の直ぐ下に中電の取水口が有り、ここで水量調整を行っているので、渇水期にはほとんど水を流していないそうだ。つまり登る時期によっては登山道沿いに流れている水はここより下の支流からのみのものという事になる。 堂倉吊橋を渡るといよいよ尾根に取り付くが、この道は林道に出るまでが急登だ。その林道出合の直ぐ上にある堂倉避難小屋で一息入れてから、引き続いて尾根を登るとシャクナゲ坂とかシャクナゲ平の地名の場所を過ぎる。名前の通りシャクナゲの多い所で特にシャクナゲ平から日出ヶ岳山頂にかけてが多かった。花は少し盛りを過ぎている感じだがまだまだ見応えがある。 その日出ヶ岳山頂の展望台は土曜日ということもあって多くの登山客で賑わっていて、人をかき分け登ってみたものの、折悪しく黄砂が舞う日に当たってしまい楽しみにしていた熊野灘も全く見えなかった。次に正木ヶ原へのコースに向かうと以前はなかった立派な木製階段が続いていたのは植生保護の為に新設されたものなのだろう。 正木ヶ原は笹の中に白骨のような枯れ木があるだけの場所でこの光景は以前と変りなく、植生の復元というのはなかなか難しいようだ。牛石あたりから先は緑も増えてきて、シオカラ谷分岐付近では木陰を選んで皆が昼食をとっていた。 絶壁の突端に当たる「大蛇ぐら」は前に来た時同様に混雑していて、写真を撮るのも順番待ちだ。この場所でアカヤシオに似ているが少し小ぶりな花をつけるツツジを見つけたが、人の話しているのを聞くとどうもアケボノツツジらしく、初めて見る花なので丁度開花時期に来られて嬉しく思った。 分岐まで戻りシオカラ谷吊橋から登り返して駐車場に着いたのが13時17分で、予定のバスの1時間以上も早かった。ところがビジターセンターで時間を潰してからバス停に戻ってみると既に長い列が出来ていて、結局バスの座席には座れず、床に座ったままで上市まで下りる羽目になってしまったのは誤算だったが、これも旅の思い出と割り切るしか無かった。 そんな事で最後の締めくくりは不本意だったが、二日間とも天気に恵まれたおかげで楽しく歩くことが出来、この点は満足している。また気がかりだった大杉谷登山道は一部分を除いて、台風被害の痕跡を見出すことは出来なかったが、これも復旧にあたった関係者の努力のおかげだろう。懐かしさと同時に感謝の念を覚えた今回の山旅だった。 トップページへ戻る
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