山行報告>深田百名山を目指す 18 トムラウシ山

2014/7/31

 
【日 程】平成24年7月31日
【山 名】トムラウシ山
【標 高】2,141.2m 
【天 候】一日目曇り
【メンバー 】福福
【タイム】
 短縮登山口4:44−−−5:03トムラウシ温泉分岐5:06−−−7:08コマドリ沢分岐7:18−−−8:02前トム平8:06−−−9:16南沼分岐9:18−−−9:42トムラウシ山9:50−−−11:111,780m11:40−−−11:56前トム平11:59−−−12:35コマドリ沢分岐12:44−−−14:45短縮登山口
       


トムラウシ山のコースを選定するにあたって迷いがあった。できれば山中に一泊したいと思っていたので、初めに考えたのがトムラウシ温泉から登ってヒサゴ沼避難小屋に泊まり、翌日に天人峡へ下山するという案。未知のルートを歩けるのが魅力的だが、天人峡からの足、それと車の回収が難しくこの案はボツ。

次にトムラウシ温泉からヒサゴ沼避難小屋往復という案を考えたが、先日の白雲岳避難小屋の体験からヒサゴ沼避難小屋は超満員が想定され、とても快適な宿泊は望めない。加えて天気予報では曇りが続き、2日連続の好天は望めそうにない。
と言うことで、結局、トムラウシ温泉からの日帰り往復という案に落ち着いた。

登山口のトムラウシ温泉はこんな山奥にという場所に国民宿舎が一軒あるだけだが、到着するとかなりの数の車が駐車していて意外と人気の場所だということが分かる。

その宿の入口の所で先日の白雲岳避難小屋宿泊の際に隣り合わせだった単独男性に偶然再会した。ヒサゴ沼避難小屋の様子はどうだっかと聞いてみると、その男性は小屋の混雑を見越して南沼のキャップ指定地まで足を延ばし、そこでツエルト泊したとの事だった。とにかくコースが長いから朝の早い時間に、出来れば4時過ぎには出発した方が良いとアドバイスを受けたので、そのようにしたいと答えて別れる。

宿でテント泊の申し込みをして、少し離れたキャンプ場へ車で到着すると、やはり明日登るという二人組の車が一台あり、後にライダーが二人来てテントを張った。このキャンプ場はトイレも綺麗だし水場も完備されているが、アブが多いのが欠点だ。入浴は国民宿舎の温泉が利用できのが便利で、この日は露天風呂が故障していて使えないからと入浴料を無料にしてくれた。もちろん広々とした内風呂は快適に利用できたので大満足だったが、東大雪荘は太っ腹だ。

翌朝、4時過ぎにテントは張りっぱなしのままキャンプ場を出発し、車で約8km先の短縮登山口を目指したが予想外の悪路で閉口した。とにかく穴ぼこだらけの道で緊張の運転に胃が痛くなる思いだった。到着した登山口はバイオトイレが完備された駐車場があり、既に20台以上の車が駐車していた。おそらくこの場所で車中泊した車が多いのではないだろうか。

身支度を整えて4時44分に登山口を出発。直ぐに温泉からのコースに合流して樹林の中の道は傾斜が強まるが、カムイ天上の標識あたりからまた緩やかな道に戻る。このトムラウシへのコースは全体的に急登という部分は少なく、どちらかと言えば緩やかな登りが続くので登り易いのだが、ぬかるみ部分が多いので快適とは言えない。

尾根道の登りの途中から沢に向かって140m程の下りがあり、下りきった地点から少し登るとコマドリ沢の分岐に着くのでここで一息入れる。
お天気の方は予報通りの曇り空で、山の山頂部分は完全に雲の中にあって見ることが出来ず、これからそこへ向かうというのも気が重い。

休憩を切り上げて沢を渡りコマドリ沢に入ると、心配していた雪渓はかなり痩せていて、左岸に夏道が露出していた。これは前日の男性の情報通りでカミさんも安心したようだ。その先は鬼押出しのような岩塊の中を行く道になり、トムラウシの北側にもロックガーデンという場所があるが、そのミニ版という感じの場所だ。そこを登り切った所が前トム平で数組の登山者が休んでいた。ここからハイマツ帯に入り、同時にガスの中にも入ってしまって空模様同様に気持ちも暗くなる。

やがて池塘や雪渓を巡りながらの岩場の道になりトムラウシ公園に到着する。トムラウシ公園は池塘周りのお花畑や岩山のブロック状節理に見応えがあり、コース中のビューポイントである。また行き帰りにこの付近でナキウサギの声を聞いた。
トムラウシ公園を過ぎ登り続けても、ガスも濃くなり風も強まってコンディションは悪くなる一方だ。

やがて縦走路との交点である南沼分岐に到着し、いよいよトムラウシ山への最後の登りにかかる。強風の中を一歩一歩と歩を進めれば、分岐から約30分で目的の山頂に到着したが、眺めなし、風を避ける場所もない山頂ではゆっくり休むわけにも行かず、山頂にいた登山者に写真を撮って貰った後は直ぐに下山を開始した。

トムラウシ公園の手前で風除けになる岩場を見つけてそこで昼食にしたが、その直前から雨が降り始めて慌ててカッパを着こむ一幕もあった。幸い昼食中に雨は止んでくれたので雨の中の下山という事態にはならず、うっとうしい思いをする事はなかった。前トム平から今夜の宿を確保すべく電話を入れてみると、ちゃんと繋がった。2,009年7月のトムラウシ遭難をきっかけに東大雪荘に携帯各社の基地局が置かれたお陰で、こんな山奥からでも携帯電話で通話ができるようになった。登山者にとってはありがたいことである。

登山口には4時45分に帰着。登り5時間、下り(昼食休憩を含む)も5時間、10時間丁度の行動時間だった。
今回登ってみた印象だが、特に充実感を感じる山行ではなかった。もちろん天気が良くなかったというのが一番の原因だが、トムラウシ公園の前後以外には見所がなく、どちらかと言えば平凡な山という感じを受けた。もう少し天気の良い日を選んで、せめて南沼に一泊して下りてくれば違った印象になったかもしれない。折角の再登なのに残念なことであった。

 トップページへ戻る             ポイント写真及び山の位置はこちら

次の山行報告へ


前の山行報告へ

GPSで記録した登山ルートの地図画像が見られます。
オンライン地図(山旅倶楽部)の2万5千全国地図とカシミールを使用していますが、画像を縮小している為、縮尺は正確ではありません
地図上で登山ルートを赤色の実線で表示しています。歩いたコースが往復で異なる場合や行動が複数日に渡る場合は、色を変えている場合があります(例:登りを赤色、下りを紫色。一日目を赤色、二日目を紫色)