【日 程】平成26年9月14日〜16日
【山 名】木曽駒ヶ岳、空木岳 【標 高】木曽駒ヶ岳2,956.1m、空木岳2,864.0m 【天 候】1日目曇り、2日目曇り、3日目曇り 【メンバー 】福福 【タイム】 9/14 敬神の滝登山口9:25−−−10:23四合目10:31−−−11:18金懸小屋11:40−−−12:34六合目半12:42−−−13:31七合目半13:40−−−14:14八合目分岐14:19−−−15:04玉の窪小屋15:12−−−15:46木曽駒ヶ岳15:54−−−16:06木曽駒頂上小屋 9/15 木曽駒頂上小屋天場6:31−−−7:20宝剣岳7:21−−−7:52極楽平8:01−−−10:19檜尾岳10:44−−−12:02熊沢岳12:25−−−13:42東川岳13:53−−−14:15木曽殿越14:21−−−15:53空木岳16:01−−−16:08駒峰ヒュッテ 9/16 駒峰ヒュッテは6:15−−−6:25空木岳6:27−−−7:33木曽殿越7:41−−−10:01北沢出合10:01−−−10:50うさぎ平11:32−−−12:04倉本コース入口12:04−−−12:36中八丁12:37−−−13:36馬の背13:36−−−15:05JR倉本駅 |
|
9月に2泊3日の中央アルプスへの山行を組んだ。中央アルプスには百名山は木曽駒ヶ岳と空木岳の2つしか無く、その2つを結んで縦走すれば一度で片付く効率的な百名山登山ができる。
木曽駒からではないが、宝剣から空木までの縦走を平成5年の8月に行っている。その時はロープウェイを使って千畳敷から宝剣岳に登り、そこから空木まで縦走して、下りは池山尾根を駒ヶ根に下りた。伊那谷が起点、終点となるコースで行ったので、今回は木曽谷から登って木曽谷に下りるというコースで計画してみた。 9/14 JR上松駅からタクシーで登山口の敬神の滝小屋まで入り、出発準備をする。登山届を書こうとしたのだが、用紙のストックがなく止む無く無届で出発してしまった。 この敬神の滝から駒ヶ岳へのコース(上松Aコース)は私にとっては馴染みのコースで、標高差が1,800m近くあるが歩きやすいので気に入っている。面白いのは半合目毎にも標識表示があることで、長い道のりだからこういうのも励みになってありがたい。 我々の場合は4合目でまず一回、次に五合目の金懸小屋で昼食を兼ねて2回目の休憩を取った。その金懸小屋の中を見てみると綺麗に整頓されていて、丁寧に使われているのが分かって安心した。小屋のすぐ上にある水場(金剛水)は細いながらも流れていてたので、小屋泊まりも安心だろう。この後、胸突き八丁、らくだの背を過ぎ、六合目半で3度目の休憩。 概ね樹林の中ななのであまり展望はないのだが、遠見台からは雲をかぶった御岳が見られた。天の岩戸のある七合目を過ぎ、七合目半で休憩をとってから八合目に着くと、ここはちょっとした広場になっていて御嶽教関係の石碑や石像が並んでいる。随分以前にここで御嶽教の一行とすれ違ったことがあるのだが、その時の先達が裸足て歩いていたのを見て驚いたことがあった。 この辺りで森林限界を超えるので、御嶽山はもちろん南の三沢岳や北の牙岩の偉容が間近に眺められるようになる。八合目の少し上に分岐があって木曽前岳を越えていく尾根コースと大ナギを経由する巻道に分かれる。平成19年に登った時は巻道が通行止めになっていたので前岳経由で登ったのだが、今回は通行できるようなので巻道を選ぶ。 すずり岩の巨岩を過ぎると正面に木曽駒山頂が見えるようになり、いよいよ近づいたという感じになる。九合目の玉の窪小屋で木曽前岳からの尾根コースと木曽駒高原からのコースが合わさり、再び一本の道になって登っていく。この辺りからガスの中に入って薄暗い感じになってしまい、また風も冷たくなった。 迂回コースとの分岐に建つ木曽小屋はトンカンと音がしていて、建物修理中のようだった。そこからひと踏ん張りで待望の木曽駒ヶ岳山頂に到着した。神社で手を合わせてからいつもの記念撮影をする。山頂からは何も見えないが、三連休の中日とあって人が多い。テントの設営作業があるのでゆっくりも出来ず山頂から下り始めると、天場の様子が見えてきたが予想以上に混み合っていた。 我々は何とか一張分の平地を確保できたが、遅れてきた人たちは岩の上等の窮屈な場所に張らざるを得なかったようだ。天場を管理している頂上山荘は受付の人はいて売店も営業していたが、この日は宿泊客をとってないとかで7時過ぎには従業員もいなくなってしまった。9月の連休に宿泊のお客さんがいなというのはなぜなんだろう? 9/15 八ヶ岳方面から上がる朝日を見てからテントを畳み出発するが、上空には雲が張り付いてスッキリとした青空にはなっていない。天気予報では昨日、今日は晴れ、最終日の明日は曇りだったが、早くも下り坂だろうか。中岳を下って宝剣岳に取り付くと、岩峰なので思ったより山頂まで時間がかかるが、山頂からの眺めは文句ない。 今日はまだ雲のかかっていないスッキリとした御嶽山やこれから向かう空木岳、その奥の南駒ヶ岳が明瞭だし、眼下にはロープウェイ駅舎の建物やそこを出てこちらに向かう登山者の姿も見える。ただし、山頂はゆっくりできる場所ではないので、すぐに下山にかかるがこの下りも鎖場の連続で僅かな距離の割に手間取る。 極楽平で三沢岳への道を分け、千畳敷への道も見送ると後はずっと下り道が続く。濁沢大峰北のコル(標高2,610m)は前日のコースで言えば八合目辺りの標高に相当するが、宝剣岳山頂2,931mからだと標高差300m超の大下りである。その濁沢大峰の山頂前後の岩場を越えるとザレた下り道になり、その途中から檜尾岳山頂近くにある避難小屋が視認できるようになる。 平成5年に縦走した時は終始雨又はガスだったので全く景色を楽しむことはなかったが、今回は雲が増えてきているものの目指すピークが見えているというのは良い。最低鞍部から200m程登り返して檜尾岳に登り着くと、空木岳からやってきた登山者が休んでいた。檜尾岳は縦走コースのちょうど半ばに当たる為、このピーク付近で行き交う人が多い。 その中の一人から「天気が悪くなりそうだから引き返したほうが良いですよ」と真顔で言われて、その時は生返事で別れたが、唐突な意見にちょっと驚いた。どういうつもりでそんな事を言ったのか真意を図りかねたが、その後の熊沢岳への向かって歩くうちに多分この事かと思いあたった。 熊沢岳への道は狭い岩稜が続き、しかもアップダウンが多い上にきわどい岩場もあり、やっかいな縦走路なのだ。彼としてはこの道がよほど堪えたか、あるいは雨でも降ったら危険だということを多分伝えたたかったのだろう。それにしても目標に向かって頑張ってる相手に、水を差すような発言だと思うが。 熊沢岳の山頂はよく目立つ岩峰の裏手にあって少し開けた場所なので、ここでお昼をとっていると空木方面から二人組男性が上がってきた。我々が今日宿泊予定の駒峰ヒュッテに泊まったらしく、前夜は80人の宿泊客があり超満員だったとか。聞いてびっくりしてしまったが、今日はそんな満員にならないように願いたいものだ。 その彼等がここから駒峰ヒュッテまでは6時間かかるだろうと言う。そう言う彼らは今日中に千畳敷まで下りてロープウェイに間に合わせたいらしいのだが、朝5時過ぎに小屋を出て12時過ぎに熊沢岳到着ではかなりペースが遅い。そんな彼らの言う6時間だから適当に聞き流しておいたが、コースタイムでは一応3時間半の行程である。 先ほどの引き返せ発言の彼氏もそうだが、自分たちを基準にしてアドバイスしてもそれはアドバイスにならない。たとえ善意からでも不正確な情報では相手を混乱させるだけで益にならないと理解すべきだと思う。 次のピークの東川岳には思っていたより早く着いて、そこから標高差200mの急降下で木曽殿越に到着したのが14時15分。予定よりは30分遅れているが、テント場の出発が30分遅れだったのでペースとしては計画通りだ。 峠の傍らにある木曽殿山荘に人気を感じなかったが、翌日聞いてみるとそこそこの宿泊者はいたらしい。小休止の後、いよいよ今日最大に登りにかかる。空木岳も何度か登っているが、いつ登ってもこの登りはキツイ。木曽殿越から標高差300m以上、しかも上部は岩稜が続くのでどうしてもスピードは落ちる。それでもコースタイム通りの1時間半で登り切ったので、カミさんも私もよく頑張ったと思う。ただ、山頂は昨日の木曽駒と同じガスの中で、何も見えなくては感激も薄くカミさんの証拠写真を撮っただけで駒峰ヒュッテに下った。 駒峰ヒュッテは夏山シーズン中は管理人が入る有人の小屋で、自炊が原則だがカップラーメンなどは販売している。また寝具はシュラフのレンタルがある。だから食糧や装備を一切持たずに来てる人もいる。私はいつもはここよりもう少し下の避難小屋を利用していたのだが、今回は翌日の行動を考えて初めてこの小屋を利用した。 幸いこの日の宿泊人数はは前日のような事はなく、10名足らずと小屋は余裕だった。嬉しかったのはペットボトル入りの水や飲み物が手に入ったことで、そういう備蓄も底をついてしまったのではと危惧していただけに有り難かった。 9/16 6時過ぎに小屋を出発し、空木岳山頂には10分で到着したが、昨日と同じくガスの山頂ではどこも見えず、諦めて昨日登った道を下る。途中、木曽殿から登ってきた登山者10名程とすれ違って、その時は気の毒に彼らもガスの山頂だなと同情したのだが、その後彼等が山頂に到着したと思われる時間になると、ガスが消えて青空が広がりだした。木曽殿越まで下りて振り返ると上空に雲はあるものの、南駒から続く稜線もくっきりと見えて秋晴れと言って良い様相。残念、気の毒なのは彼等ではなく我々だった。 木曽殿越から少し下った所にある「義仲の力水」からはこの時期にあっても十分な量の水が流れ出ていたので、備え付けのコップで口に含んでみると極普通の水の味だった。やはりもう少し暑い季節に飲むほうが水は旨いようだ。 更に下ると見晴場という所があり、空木岳方面の展望台になっているのだが、お天気のせいではなく木が茂った為に展望は良くなかった。更にずっと下って標高2,250m付近に八合目の標識があったが、空木岳山頂まで600m以上の標高差があるのに、ここが八合目とはちょっと合点がいかない。標高2,000m地点には「仙人の泉」がありこちらも十分な水量があって、ここでも一口飲んでみたが感想は右に同じだった。 北沢出合の前で単独男性とすれ違う。言葉は交わさなかったが天気が好転してきたので良い山登りになるだろう。吊り橋で北沢を渡ると道は登りになり、結構登るなぁと思い始めた頃に再び下りになり下りきった所がうさぎ平だった。休憩に格好のベンチもあるので少し早いがここで昼食にする。日差しがあって暑い中、ここで十分休息をとってこれからの行動に備える。 うさぎ平から先はしばらく林道歩きで、20分程歩くとまた別の林道(伊奈川林道)に合流する、金沢土場である。合流した林道を更に10分程下ると倉本コースの入口に着いてここで林道と分かれる。そこにある標識には倉本駅まで2時間40分と書かれていた。沢を渡って山腹に取り付くがこの道は悪い。ほとんど利用されていないので踏み跡は薄く、おまけに急登ときている。標高差250m近くあるそんな道を登り切ると中八丁の峠でこれで登りはお終いとホッとする。広くもない峠だが真っ赤な吸殻入れが妙に印象的だった。 後はずっと下りで道もマシになりペースも上がったが、林道横にある登山口(馬の背)に着いたのが13時36分で倉本コース入口かここまで1時間半かかっている。この先は林道歩きになるがまだ倉本駅までに距離は長く、倉本コース入口にあった駅までのコースタム2時間40分で到着するかどうかは微妙なところだ。結局のところ終点の倉本駅までは馬の背から1時間半かかり、コース入口から所要時間のトータルは3時間という結果だった。 ちなみに自分自身のこの日の行動時間予定よりやはり1時間余分にかかった事になったが、そんな事よりもこの長いコースを無事下りて来られた喜びの方が大きい。無人駅の待合室で感じた充実感は、列車の長い待ち時間も苦にならないほどで、十分に満足した今回の山行だった。 トップページへ戻る
ポイント写真及び山の位置はこちら→
|
|
前の山行報告へ |
![]() |
GPSで記録した登山ルートの地図画像が見られます。 |