【日　程】平成２８年７月２３，２４日
【山　名】和名倉山
【標　高】２，０３６．２ｍ
【天　候】１日目曇り、２日目曇り
【ﾒﾝﾊﾞｰ 】Ｙ井、福福
【タイム】
　7/23　登山口12:55−−−14:30将監小屋
　7/24　将監小屋5:01−−−5:25山の神土5:29−−−6:19西仙波6:21−−−6:37東仙波6:46−−−8:00二瀬分岐8:04−−−8:19和名倉山8:41−−−8:58二瀬分岐8:58−−−10:07東仙波10:18−−−10:33西仙波10:33−−−11:21山の神土11:25−−−11:45将監小屋12:30−−−13:43登山口

７月の例会は参加者が少なくＹ井さん、私とカミさんの３人だけになった。

和名倉山の山梨県側登山口のある甲州市三の瀬地区へはバスの便がないので、マイカーで行くことにして、当日、名古屋から列車でやってきたＹ井さんを塩山駅でピックアップした。駅前から青梅街道に入って八王子方面に向かい、丹波山村との境近くのおいらん淵手前から左に折れて林道に入る。一の瀬、二の瀬と過ぎて、三の瀬の登山口にある民宿「みはらし」の駐車場に車を入れたのが塩山駅を出て概ね５０分後だった。この山は駅から登山口までが遠い。

民宿でお茶と漬物をごちそうになった上に、キュウリとトマトをお土産に貰ってから出発したが、この日は将監小屋泊りなのでコースタイムは２時間２０分と短い。
地図上では破線表記なので登山道と思っていたら、小屋まではずっと林道で（一般車は入れない）緩い登りが続く。無駄口を叩きながら歩くうち、予想よりずっと早く小屋に着いてしまうという楽な道だった。

将監小屋は所有者でもある管理人さんが昨秋遭難死されて、息子さんが跡を継いでいると聞いているが、山小屋経営に専念されているようではないらしく、この土、日に顔を合わせることはなかった。多分、事前に予約を入れておけばそれなりの対応をしてくれると思うが、そうでなければ通常は無人の小屋で利用料は小屋内の料金箱に入れるようになっている。

私とカミさんはテントでＹ井さんは小屋内で宿泊したが、小屋に寝具は置いてあってもＹ井さんは自前のシュラフを利用していた。営業小屋ではあるが状態は避難小屋と割り切ったほうが良いようだ。

翌朝、計画通り５時に出発する。往復コースなのでテントやシュラフ等の不要品は小屋に残しておく。将監峠を経て山の神土までは快適だったが、その先は笹が登山道に被さって、笹に乗った露でしっかり濡れてしまった。しかし、その笹の範囲を過ぎてしまえば歩きやすい道になる。

リンノ峰は山頂は踏まず西側の山腹をトラバースするよう道が付けられていた。東仙波の先にある吹上の頭も同様で無駄にアップ・ダウンしなくても良いので、和名倉山まで距離が長い割には楽に歩けた。
お天気の方は薄雲は張っているもののその上空は晴れていて、明るく爽やかな上に涼しく気持ちがいい。

周りの様子は東仙波まではシャクナゲのトンネルを潜ることもあるが、笹とダケカンバの明るい林が続くどちらかというと牧歌的な雰囲気で景色も楽しめる。それが東仙波の先で狭い岩稜帯を過ぎると榧や栂の目立つ奥秩父らしい林に変わってくる。

コースは赤テープ等の目印も必要十分で、まず道に迷うこともないはずだが、川又分岐の先で目の前の斜面に付けられた踏み跡に気を取られ、道に置かれた制止木に気づかず右手のトラバース道に入ってしまったが、踏み跡が曖昧になった所で気付いて本来の尾根道に戻った。やがて二瀬分岐に到着した。このまま直進すると秩父湖西岸の二瀬に至るコースで、国土地理院の地図には登山道の記載はないが、このコースも割りと登られているようだ。和名倉山へは二瀬分岐から真東に折れてほとんど起伏のない道を行く。

起伏もないが眺めもないという道を１５分も進むと目的の和名倉山山頂に到着だ。聞いていた通り山名表示板は立派だが展望は全く無く、とりあえず小腹をなだめてから写真を数枚撮って引き上げた。山頂を出発して直ぐに今朝、三の瀬を発って登ってきたという登山者と擦れ違ったが、この人には下りで抜かれた。他にトレールランナーにも追い越されたが、この山で出会ったのはこの他に我々同様に将監小屋でテント泊していた夫婦連れとやはり登り口からの日帰りらしい単独男性だけで、それほど登山者が多い山ではない。

登山者といえば山の神土まで下りてきた時に、笠取山方面から自転車を担いでやってきた登山者に出会った。担いでいる自転車がマウンテンバイクではなく普通の自転車だったのでなお驚いたのだが、将監峠で更に３人の自転車組に出会い、将監小屋からの下りの林道では６台ほどの自転車に抜かれた。いずれもリュックを担いだ登山者だったので、この山域では自転車登山が流行っているのかもしれない。

我々は民宿まで戻ってまたお茶と漬物をご馳走になったが、久々の奥秩父の山歩きは楽しかった。奥秩父の山というと百名山を主としたピークハントばかりで、長距離を歩くということがこれまではなかった。山深い地域なので単独の山だけで終わるのではなく、山から山への縦走が本来の奥秩父の楽しみ方なのかもしれない。