山行報告>ぐるっと周遊が楽しい、三瓶山

2017/5/7

 
【日 程】平成29年5月7日
【山 名】三瓶山
【標 高】1,125.8m
【天 候】晴れ
【メンバー 】Y田、Y井、T田、福福
【タイム】
 夫婦松登山口8:09−−−8:57風越9:00−−−9:20子三瓶9:25−−−9:42扇沢分岐9:43−−−10:21男三瓶10:38−−−10:40避難小屋10:43−−−11:23女三瓶11:26−−−11:40室の内展望所11:41−−−11:43太平山11:44−−−12:11孫三瓶13:00−−−13:35夫婦松登山口
       


三瓶山は島根県のほぼ中央にある独立峰で、中央の室の内と呼ばれる爆裂火口を囲んで男三瓶、女三瓶、子三瓶、孫三瓶、大平山、日影山等の峰が環状に連なっている活火山である。この内日影山を除く5つの峰をぐるっと周遊するのがお鉢巡りと言われていて人気の登山コースとなっている。

今回我々が登るのは女夫松登山口から入ってまず子三瓶に登り、男三瓶、女三瓶、大平山、孫三瓶と回って女夫松登山口に戻るという周遊コースだ。ちなみに百名山、二百名山を完全人力踏破した田中陽希さんは同じく女夫松登山口から入り、孫三瓶、子三瓶と登った後に室の内に下ってから女三瓶に登り返し、最後に男三瓶へというコースで歩いている。円を描くお鉢巡りではなく逆S字を描くようなコースで歩いたのは、孫→子→女→男という標高順にこだわったのと、入山口と下山口を分けた方がその後の行程上有利と踏んだからだろう。

前夜宿泊した国民宿舎さんべ荘は道路を渡ればそこが登山口という、登山口に至近の場所にあり登山基地としては最適だった。

その登山口から林の中の緩やかな道を登り始めると、すぐに東屋があり早くもここで一枚脱いで軽装になっている人もいる。今日はお天気も良く気温も高めなのだ。

孫三瓶との分岐では計画通り左手にとってまずは子三瓶を目指す。孫三瓶の山腹を螺旋状に回り込むように登っていくと子三瓶との鞍部である風越に到着して、ここでこれから周遊する三瓶山の全体が見渡せるようになった。

子三瓶までは標高差で150m程の登りになるが、山頂近くになると傾斜が緩んで笹原の中を行くようになる。野芝を踏みながら進めば今日一つ目のピークである子三瓶山に到着だ。生憎黄砂の影響で遠望は利かないが、隣にある男三瓶はここから見てもさすがに主峰の風格がある。

その男三瓶へは一旦百メートル強下った扇沢分岐から登り返しになり、林の中を標高差で250m程は急登が続く。時折開けた場所から背後の景色を楽しみながら登る内に標高1,100m辺りから急激に傾斜が緩み台地上の広々とした山頂部に出てやがて頂上に到着した。

頂上三角点から少し北に向かって歩くと、眼下に島根半島らしきものが見えたがほとんど霞んでいて明瞭ではなかった。逆方向の南側にも展望台があり、そこからは爆裂火口内を見下ろすことができて、室内の池がちょうど野球の内野グランドのような綺麗な扇形に見えた。

近くにいた人に記念撮影を頼んでから、山頂を後にして女三瓶側に下ると立派な避難小屋があり、中を覗いてみるとこの先で滑落死亡事故が起きており気を付けるようにとの注意書きがあった。確かに男三瓶の南側はえぐられたような崖になっているし、女三瓶への縦走路も痩せて急な所があったのでここは慎重に下りた。

兜山の標識を過ぎると女三瓶との鞍部でここから女三瓶への登り返しになるが短い。女三瓶山頂にはアンテナが集中して建てられていて、山頂標識の立つ場所はまるでそのアンテナ敷地の隅に間借りしてるようで、実に肩身の狭そうな山頂だった。こんなアンテナ群がなければ三瓶ファミリーの他のピークに引けを取ることはなかっただろうに、まるで家族の苦労を一身に背負いこんだお母さんといった風情の山だ。

女三瓶を下ると観光用リフトの降場があって、室の内展望所というガラス張りの建物が見えたのでちょっと覗いてみたが、肝心の室の内池が見られないのは残念だった。

そのすぐ上の木製のベンチが並べられた場所が大平山山頂で、あまりピークらしくない場所だが、リフトで登ってくるとまずここで展望を楽しむということになるのだろう。この後、大平山から孫三瓶にかけてはなかなか良い感じの山道が続き、気持ち良く歩くことができた。

室内の池への分岐がある奥の湯峠からはいよいよ今日最後の登りとなる孫三瓶への登りだ。そして登り着いた孫三瓶はこじんまりとしたイメージ通りのピークだったが、ここからぐるりと見渡す三瓶山の姿が最も良かった。孫三瓶到着がお昼を少し過ぎた時間で、我々は計画通りここで昼食にしたが、孫三瓶から女夫松登山口までは30分で下れる。急ぐのであれば昼前に下山も可能だろう。

そんなほぼ半日コースの軽い山歩きだったが、爆裂火口とそれを取り囲む三瓶山の各ピーク、さらにその外側のカルデラ部分に広がる草原地帯という独特な景観が強く印象に残った今回の山行だった。

 トップページへ戻る             ポイント写真及び山の位置はこちら

次の山行報告へ


前の山行報告へ

GPSで記録した登山ルートの地図画像が見られます。
オンライン地図(山旅倶楽部)の2万5千全国地図とカシミールを使用していますが、画像を縮小している為、縮尺は正確ではありません
地図上で登山ルートを赤色の実線で表示しています。歩いたコースが往復で異なる場合や行動が複数日に渡る場合は、色を変えている場合があります(例:登りを赤色、下りを紫色。一日目を赤色、二日目を紫色)