山行報告>敦賀湾を見下ろす好展望地、西方ヶ岳〜蠑螺ヶ岳

2017/6/11

 
【日 程】平成29年6月11日
【山 名】西方ヶ岳、蠑螺ヶ岳
【標 高】西方ヶ岳763.8m,蠑螺ヶ岳685.5m
【天 候】晴れ
【メンバー 】福福
【タイム】
 常宮神社8:05−−−9:01銀命水9:04−−−9:54西方ヶ岳10:08−−−10:29カモシカ台10:32−−−10:58蠑螺ヶ岳11:02−−−11:14一枚岩展望所11:38−−−12:55浦底バス停
       


西方ヶ岳(さいほうがたけ)と蠑螺ヶ岳(さざえがたけ)は原発の立地する敦賀半島(立石半島)にある。友人から良い山だと聞かされていたのだがなかなか出かける機会がなく、梅雨前になってようやく実現できた。

これらの山はバスは通っているものの一日に3本と少なく、山登りに使うのもちょっと不便だ。そこで今回はマイカーで出かける事にして車を下山口のバス停近くに置き、そこから7時45分発の第一便のバスに登山口の有る常宮バス停まで乗るという手段を取った。これならバス時刻(第二便は13時47分発)を気にする事なく縦走できるからだ。

早朝に自宅を出発しほぼ予定通りの時間に下山口の浦底バス停付近に到着して、しばらくすると下りのバスが通過していった。身支度を済ませてバス停で待つとほどなく折り返しのバスが戻ってきたのでそれに乗り込む。我々の他の乗客は2名だけでバス利用者はやはり少ないようだが、常宮バス停までは6km程の距離があり、バスがあればこそ縦走が可能なわけでありがたい。

バスを降りると目の前に常宮神社が有る。予想していたよりはるかに立派な社殿で国宝も所有してるという。無事登頂の祈願をしてからトイレを探したが、境内には残念ながらなかった。

神社のすぐ北側の辻に建つ電柱に西方ヶ岳登山口の標識が取り付けてあって分かり易い。この辺りの海抜が3mと書かれていたので、低山とは言えほぼ標高分(西方ヶ岳の標高は764m)登ることになる。舗装路が途切れると林の中の階段登りが始まる。この山は登り始めが最も急である。

途中に奥の院展望所と書かれた岩場が有るので登ってみると、常宮神社の周りの林とその先に広がる敦賀湾、対岸には敦賀火力発電所とフェリーターミナル辺りの景色が見渡せた。薄雲が広がっているがこれから良くなっていく予報だし、湿度が低くて吹く風が爽やかだ。この先二本目の送電線を潜る辺りから傾斜が緩んで坦々とした道になり、この後も登りと平坦を繰り返すようになる。

西方ヶ岳との中間地点に有る銀命水は水量が少なくコップですくうことはできなかった。その上部にある聞く石(呼石)とオウム岩は聞く石から呼びかけるとオウム岩が応える(オウム返し?)と解説板に書かれていたが実証はしなかった。花崗岩の山なのでこのような巨石が山中に点在していて、登山道自体もえぐれているような部分も多く、鈴鹿の山を歩いているような気になってしまう。ただ鈴鹿と大きく異なるのは標高550m辺りからブナが現れることで、特に標高600m付近のブナの純林は見事だ。ひょろっとした背の高いブナで巨木は見当たらなかったが、日が遮られて気持ち良く歩けた。

西方ヶ岳山頂は三角屋根の避難小屋が建つ小広場になっていて、傍らの展望台から景色は広がるが、岩場なだけにちょっと落ち着かない場所だ。この山頂で対向の単独男性と擦れ違ったのがこの日唯一出会った登山者だった。

西方ヶ岳山頂を後にして15分ほど下るとカモシカ台・尼ヶ池への分岐に出る。5分で行かれると有ったので寄り道してみるとカモシカ台はやはり花崗岩の岩場で岩の上から今度は半島西側の若狭湾と美浜原発が見下ろせた。尼ヶ池については寄り道を省略して分岐に戻りそこから20分強で蠑螺ヶ岳に到着した。

西方ヶ岳より狭い山頂ながらここからは敦賀湾に浮かぶ小島「水島」がきれいに見える。水島は白い海岸線と浅瀬の海の色から北陸のハワイと言われているとか。岸から見ただけでは分からないが山の上から全体を見渡すとなるほどと思う。

昼食休憩は蠑螺ヶ岳から10分位下った一枚岩展望所でとった。ここは名前の通りの平らな岩があって、眺めを楽しみながら落ち着いて休憩が取れる、少人数の休憩にはうってつけの場所だ。

昼食後の尾根道の下りは西方ヶ岳への道より傾斜が急なようだったが、最後に日本原子力開発の寮の横を通り自動車道路を300m程歩けば浦底のバス停に着く。途中に放射線量を表示するモニタリングステーションがあり、原発地域であることを実感させられるが、この平和で長閑な風景が事故等とは無縁にいつまでも続くように願いたい。

原発のことはさておき、山自体はとても良かった。海の見える山というのは大体ポイントが高いが、それにブナ林とくれば言うことはない。加えてこの日はお天気もよく乾燥した程よい気温だったので、なおさら快適な山歩きになった。敦賀三山(他に岩籠山、野坂山)の中でも一押しの山である。

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GPSで記録した登山ルートの地図画像が見られます。
オンライン地図(山旅倶楽部)の2万5千全国地図とカシミールを使用していますが、画像を縮小している為、縮尺は正確ではありません
地図上で登山ルートを赤色の実線で表示しています。歩いたコースが往復で異なる場合や行動が複数日に渡る場合は、色を変えている場合があります(例:登りを赤色、下りを紫色。一日目を赤色、二日目を紫色)