山行報告>深田百名山を目指す 42 焼岳

2017/7/21

 
【日 程】平成29年7月21日
【山 名】焼岳
【標 高】2,455.5m
【天 候】晴れ
【メンバー 】福福
【タイム】
 焼岳登山口8:13−−−9:33広場9:33−−−9:43休憩9:56−−−10:52焼岳北峰11:15−−−12:12広場12:12−−−12:19休憩12:25−−−13:20焼岳登山口
       


焼岳は他の北アルプスの百名山に比べると標高的にかなり劣る。深田自身も「焼岳は附近の群雄に比べたら、取るに足らぬ小兵かもしれぬ」と書いている通りだ。それでも選定したのは、上高地を目指す時にまずこの山が目に飛び込んでくる事にいつも新鮮な驚きを感じると言っているように、一つには上高地の入り口にあるという立地上の優位性、二つ目は日本アルプスの中で白煙を上げている唯一の活火山であるという特異性、三つ目に大正池とセットになった景観美を上げている。山は高さだけに価値があるわけではないので当然の選定理由だと思う。

さて、その焼岳に梅雨明け宣言直後の平日に登ってきた。天気予報はどれも一日中の好天を約束しており、これはもう行くしかないと前日に思い立ってのことだった。
今回登ったのは新中の湯ルートで、従来の中の湯ルートは水害による通行止めが続いているので中の湯側から焼岳に登る場合は新中の湯ルートしか選択肢がない。ただ、その登山口は中の湯バス停からだと、つづら折れの国道158号を3kmあまりも登らなければならず、公共交通機関を利用する場合は不向きな登山口だ。

今回我々はマイカーで出かけたが、この登山口の利用者の大方はマイカー利用者と見ていい。8時前に登山口に到着した時には駐車場はもう埋まっていて、道路脇の縦列駐車の最後尾に自分の車を付けた。平日にも関わらずおおよそ20台位が駐車していて、やはり百名山というのは別格だなぁと思う。

焼岳登山道入口と書かれた標識の所から入ると直ぐに2つの注意看板が並んでいた。一つは焼岳が活火山である旨の注意喚起で「現在の噴火警戒レベルは1です」と書かれている。もう一つは長野県登山安全条例に基づき登山計画書の提出を促すものだった。最近私は登山計画書の提出は「山と自然のネットワーク(コンパス)」によっている。手軽で実に良い。アプリの使い勝手をもう少し工夫してもらうと更に良いのだが、それは今後に期待しよう。

その看板の所からしばらく行くと尾根に取り付き急登が始まる。尾根芯に沿って直線的に登っていくのだが、尾根が終わっても頂上までほぼ一直線という珍しい登山道だ。幸い急登部分は標高差150m程で終わって、その先は傾斜が緩む。林の中は日差しが遮られこの時間帯だとまだ涼しさを感じられて快適だ。

コースの中間地点にちょっとした広場がある。旧中の湯登山道とのほぼ合流地点だが、この広場付近から見た焼岳が美しい。左手に三角点のある南峰(登山禁止)、右手に現在頂上とされている北峰、その間のコルを結ぶ稜線の眺めが見事だ。そのコルに向かって下堀沢上部の涸沢に登山道が伸びている。コルの中央部辺りから盛んに白煙があがっているのがいかにも焼岳らしい眺めだ。林を抜けたのに周りに雲が湧き出してきてさほど強い日差しを感じないのは期待したほどの好天ではないということのようだ。

コルにたどり着くと火口内に雨水がたまった小さな火口湖が見えた。ここからはガイドロープに沿って右手の岩場の道を登る。噴煙が吹き出している近くの岩には硫黄の結晶が付着して青白くなっている。その下を巻くように登ると中尾峠からの道と合流して、その先を一登りすれば焼岳(北峰)頂上だ。もう少し早い時間帯なら良かったようだが、我々が到着した時は吊尾根も周りの山も山頂部分が雲に隠れていて眺めの方は期待はずれだった。昼食を取りながら雲の取れるのを待ったが、逆に我々のいる頂上がガスに囲まれてしまい眺望はゼロに。諦めて下り始める頃に又上高地方面だけは見下ろせるようになったが、見られたのは麓の景色だけで周囲の山の展望は得られなかった。

来た道を戻り中の湯温泉で汗を流して今回の山行を締めたが、穂高の眺めを期待して急遽計画したものの、その目的が果たせなかったのが残念だった。当然のことながら山はこちらの期待通りというわけにはいかぬ。

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GPSで記録した登山ルートの地図画像が見られます。
オンライン地図(山旅倶楽部)の2万5千全国地図とカシミールを使用していますが、画像を縮小している為、縮尺は正確ではありません
地図上で登山ルートを赤色の実線で表示しています。歩いたコースが往復で異なる場合や行動が複数日に渡る場合は、色を変えている場合があります(例:登りを赤色、下りを紫色。一日目を赤色、二日目を紫色)