山行報告>深田百名山を目指す 48 皇海山

2018/5/21、22

 
【日 程】平成30年5月21,22日
【山 名】皇海山
【標 高】2,143.6m
【天 候】1日目晴れのち曇り、2日目晴れ
【メンバー 】福福
【タイム】
 5/21 銀山平駐車場6:59−−−7:57一の鳥居8:08−−−9:19庚申山荘9:44−−−10:47庚申山11:04−−−13:15鋸山13:22−−−14:28皇海山14:45−−−15:59鋸山16:20−−−18:19庚申山18:31−−−19:50庚申山荘(泊)
 5/22 庚申山荘7:20−−−8:32一の鳥居8:42−−−9:37銀山平駐車場
       


今回の皇海山は平成8年8月に単独で出かけた時とコースは同じなのだが、1日目と2日目の行程が違う。このため予想外の長時間行動になってしまった。

1日目、銀山平の駐車場に車を置いて出発したのが午前7時。駐車場と林道ゲート前に数台の車が停められていたので、それなりの入山者はいるようだ。この林道の状態は良く普通の車でも問題なく通れそうだが、一般車の通行は禁止されているので、1時間の単調な林道歩きを我慢しなければならない。この時期、藤やウツギの花が綺麗に咲いていて道中の良い慰めになった。

一の鳥居からは山道になるが急登はなく、綺麗な林の中の気持ちの良い道だ。
一の鳥居から15分程歩いたところで、目の前を小熊が横切った。その場で大声を出したり、ストックを叩いたりして様子を窺ったが、幸いその後は熊の出現はなかった。

庚申山荘までには鏡岩や夫婦蛙岩等の見覚えのある大岩があり懐かしい。旧猿田彦神社跡まで来れば今夜の宿の庚申山荘はもう直ぐだ。庚申山荘は日光市が管理する素泊まりの小屋で寝具も用意されいるが、管理人さんが入るのはシーズンの土、日のみで、この日は不在だった。とりあえず不要なものはここに残し、身軽になって庚申山へ向けて出発する。

庚申山は凝灰岩の岩山で途中に大岩屋や石門など見所もあり、サクラソウの仲間のユキワリソウの可憐な花が岩壁にへばりつくように咲くのが見られた。この山では山の名を冠したコウシンソウが有名であるが知識がなく特定できなかった。

庚申山山頂は展望はないもののちょうどシャクナゲの花が我々を歓迎するように咲いててくれた。シャクナゲはこの先も道の両側に何カ所も見頃の花を見られたし、眺望の方も稜線上からは先日出かけたばかりの日光白根山、太郎山に男体山、大真名子、小大真名子等の日光連山が綺麗に見えた。

こう書くと気持ちの良さそうな稜線のようだが、実際は鋸山十一峰と言われる小ピークの林立する痩せ尾根でアップダウンが連続し、場所によっては背丈の笹原で道が分かりにくい所もある。また鋸山が近づくと鎖場が連続するようになり、これに大きく時間をとられた。

鋸山山頂は狭いながらも景色の良い場所でできればゆっくりしたいところだが既に計画より40分遅れなので先を急がなければならない。一気に鞍部まで下り振り返ると鋸山のギザギザの稜線がはっきりと見て取れ、あれを越えてきたのだなぁと思うと感慨深い。しかし、この先皇海山へはまだ標高差300mの登り返しが待っている。幸い急登というのはないので計画より40分遅れのまま展望のない皇海山山頂に到着したが、その後は遅れに遅れた。

皇海山から引き返した鋸山を出発した時点で1時間20分遅れ、庚申山到着が1時間40分遅れ、その後日没時間を過ぎてしまった為、庚申山荘到着は予定より2時間10分遅れの到着だった。同宿の人から「心配しましたよ」と言われてしまったが、全く申し訳ないことだった。庚申山から夜道を下ってありがたかったことは、ルート標識が反射材で出来ていることで、ヘッドランプの明かりに反射して良く目立った。他の山域ではあまり見かけないものだが、我々同様に夜間歩行に陥ってしまう登山者がここでは多いのだろうか。

ともかく、無事宿までたどり着いて、翌朝には計画通り下りられて良かったのだが、さてその上で振り返ってみて皇海山は名山たり得る山かどうかという事についてだ。この山の欠点は山頂からの眺望がないことで、決して短くはない行程を経てようやく辿り着いた山頂から眺めが得られないというのは残念と言う他ない。深田自身は眺望の有無を名山の条件には挙げていないが、これがないと山の魅力が大いに減じられると私は思っている。

前回、私が書いたレポートの最後はこう結んである。「時期が良くなかったせいもあると思うが、皇海山が名山であるという印象は受けなかった。地味な山で、抜きんでた個性や風格があるというわけではない。百名山を目指す人しか興味を持たないと思うがどうだろう。」
この思いは今回登ってみても変わらなかった。深田の選定は庚申山、鋸山を含めたトータルの印象に基づいているように思えてならない。

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オンライン地図(山旅倶楽部)の2万5千全国地図とカシミールを使用していますが、画像を縮小している為、縮尺は正確ではありません
地図上で登山ルートを赤色の実線で表示しています。歩いたコースが往復で異なる場合や行動が複数日に渡る場合は、色を変えている場合があります(例:登りを赤色、下りを紫色。一日目を赤色、二日目を紫色)