【日 程】平成30年6月3日
【山 名】乗鞍岳(剣ヶ峰) 【標 高】3,025.7m 【天 候】晴れ 【メンバー 】福福 【タイム】 肩の小屋口9:46−−−10:54剣ヶ峰11:12−−−12:14肩の小屋口 |
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GWが始まると乗鞍高原から位ヶ原山荘まで春山バスの運行が開始され、スキーヤー等の人気を集めている。このバスを使えば剣ヶ峰へも容易に達する事が出来るので5月上旬に一度計画を立てた。ところが当日は乗鞍岳はすっぽりと雲の中で、これでは駄目だとその時は諦めた。
そして今回改めての計画となったのだが、6月に入ると道路の除雪は更に進みバスは肩の小屋口(大雪渓)まで入るようになっていた。これだと位ヶ原山荘からより往復で2時間は短縮できるので、山登りとしては更に容易になり、5月は見送って良かった?と言うことになる。 当日、バスの発着場所である乗鞍高原観光センターの駐車場に着いてみると、既に大勢のスキーヤーやボーダー、登山者が集まっていて、5月に来た時は数名のボーダーがいただけだったのとは大違いだ。ジャンル別ではスキー登山者(山スキー、ゲレンデスキー)が最も多く、次いでボーダー、その次に一般の登山者という構成で、年代で区別するとどのジャンルにおいても中高年層が圧倒的に多い。 そんなことよりも、これだけの大人数だと予定のバスに乗れるかどうか不安になってしまったが、そこは抜かりのない松電バス、8時半の始発バスは4台も出たので乗りこぼしが出ることはなかった。 春山バスに乗るのは久しぶりの事で、急斜面に付けられたつづら折れの道を登るにつれて変わっていく景色を見るのは楽しい。しかし予想通りというか随分と残雪の量が少ない。例えば位ヶ原山荘辺りは道路脇に雪の壁が出来ていそうなものだが、そんなものはなく逆に大雪渓への登路にはブッシュが出てあれでは歩きづらそうだ。さすがにもう少し標高を上げると雪壁もあるにはあったが、この程度かという感じだ。 終点の肩の小屋口に着いて乗客達は思い思いに出発していく。我々は最初からアイゼンを付けて登り始める。通常はまず肩の小屋を目指し、そこから剣ヶ峰の手前にある朝日岳と蚕玉岳の鞍部に向かうのだが、肩の小屋からの夏道は既にハイマツが出てしまっているので、肩の小屋には寄らず直接鞍部に向かう。ほぼ全員が同じようなコース取りで登っているのだが、面白いのはスキー登山者の登り方だ。 シール歩行の人(これが一番多い)、スキーをザックに付けている人、肩に担ぐ人、細引きを付けてソリのように引っ張る人。さすがに傾斜が強まってくると皆苦しそうで、何度も途中で止まって息を整えている。無理もないスキー自体が重いからだが、こういう時は我々のようなスキーを持たない一般登山者の方に分がある。彼らを尻目にスイスイ、とまではいかないが登るスピードはこちらの方が速い。 朝日岳直下で雪が切れて岩場になるのでそこからアイゼンを脱いで稜線に出ると、また新たな眺めが広がった。周囲の山々の景色も素晴らしいが、眼下の権現池の青い水色がやけに印象的だった。稜線に出れば剣ヶ峰はもう目の前で、11時前に山頂の社で無事到着の柏手を打った。お天気も良く微風でゆっくり出来る山頂なのだが、予定より早く登り着いたので一本前のバスに乗れるかもとつい欲が出た。 スキーヤーにとってはここからが見せ場だが、我々はただ下るのみで来た時のトレースを逆戻りする。行きにアイゼンを脱いだ岩場でまた付け直し、登りの時よりは少し緩んだ雪面を遙か下に見える肩の小屋口を目指して下る。下るに従って斜面の傾斜が落ちてくるのでピッチが上がった。12時14分に肩の小屋口に着いて、カミさんを待つ間にトイレに行って戻ってきたらバスが丁度出発したところだった。バスの出発時刻は12時16分なので定刻通り。 結果、次のバスを1時間待つ羽目になったが、昼食や荷物の整理に時間を費やしたので待つのは苦にはならなかった。そして1時間後のというか本来計画通りのバスで出発地点の駐車場に戻ってみると、待っていたのはパンク状態の愛車だった。 実は、宿の駐車場を出るときにタイヤの空気が減っていることには気づいていたのだが、バスに間に合わせたい一心で乗鞍高原観光センターまでその車で移動した。それが今は見事にぺちゃんこ状態でこれでは動かしようがない。宿でこの状態だったら乗鞍には登れなかった訳で、いやぁラッキーだった、と喜んでいる場合ではなく、この後JAFを呼んで応急手手当てをしてもらい、麓に下りてカー用品店でタイヤ2本交換と相成った。 とんだ成り行きに意気消沈してしまったのだが、これが電話も通じない山奥でなくて良かったと、それを慰めにして諦めるしかない。 トップページへ戻る
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