【日 程】令和2年12月14日 【山 名】生藤山 【標 高】990.3m 【天 候】曇り 【メンバー 】福福 【タイム】 柏木野バス停9:40−−−11:39湯場ノ頭11:39−−−12:05連行峰12:43−−−13:07生藤山13:18−−−13:24三国山13:26−−−14:01軍刀利神社奥社14:06−−−14:26井戸バス停 私が奥多摩の山を計画する時に参考にしている一冊の本がある。「奥多摩 山、谷、峠、そして人(著者:山田哲哉 )」。元々山渓に連載されていたものを一冊の本にまとめたもので、著者は中学生の頃から奥多摩にのめり込み、奥多摩のあらゆる峰や谷に足跡を残し続けてきた山のエキスパートである。山登りを始めた1960年代頃から現在に至る奥多摩の変貌や、当時の奥多摩の様子が詳細に描かれているのがとても興味深い。 今回計画した生藤山は本に書かれたコースをそのままなぞったもので(下山ルートは別)、季節も著者が登った時期と合致している。正に追体験という形になった。 武蔵五日市駅前のバス停には平日とは思えぬ数の登山客の姿があったが、一団が臼杵山登山口近くのバス停で降りた後は車内の人影はまばらになった。柏木野バス停で単独男性と一緒に降りたが、山慣れした人らしく我々が出発準備をしている間に先に出てその後出会うことはなかった。 連行峰への案内標識に従い狭い石段を下ってから人道橋で南秋川を渡ると杉林の急登が始まる。この急登は一旦緩んでから次の急登が始まるが、いずれも細かいジグザグで登っていく。また長く続かないのでさほど急登感はない。ジグザグを終えると尾根に出て、この後は緩やかな稜線歩きが続く。 急登部分では背中に薄っすらと汗をかく程度の快適さで登っていたのが、稜線歩きになると時折冷たい風が吹き抜けて、そんな時は一気に体が冷えてしまう。シャツの前を開けたり締めたりで温度調節に忙しい。万六ノ頭は西側を巻いていくのが一般ルートのようでピークに直進するルートは踏み跡が薄い。我々も巻道を通ったのでピークの様子は分からないが、おそらくスッキリした展望はないと思われる。 今回のコースでは木の間から展望を得るというピークばかりで、遮るもののない眺望抜群のピークというのはなかった。 次の湯場ノ頭も林の中のピークらしくない場所でそのまま通過してしまう。 登りつめたところが連行峰で「関東ふれあいの道」の案内標柱の立つ場所がピークということになるが、どうみても縦走路の一角という感じで山頂のイメージはない。傍らにベンチが2脚あり、そこから待望の富士山を眺めるということなのだが、生憎雲が増えてきて頂上部は見えない。 それも頭を動かしながら木々の隙間を狙って見なければならず、先週の大岳山山頂のように顔を上げればどーんと富士山の全体が見えるというわけにはいかなかった。計画時間より1時間以上早く到着したが予定通りここで昼食をとってから目的の生籐山を目指した。 1,019p(茅丸)は巻道があったので頂上は踏まずに進むと生藤山の取付にも三国山に出る巻道があった。生藤山へはもちろん巻道ではなく尾根を直登するのだが、この登りが本コース中一番の急な登りだった。もっともたかだか30m程の登りではあったが。生藤山山頂には南北に2本の山頂標識があり、一方は標高990.3m、もう一方は990.6mと書かれている。990.3mの方が新しいものだ。 さて、肝心の富士山だが全天曇り空となってしまい、ほとんど見えない。残念ながら期待した富士山は今回は空振りに終わったようだ。生籐山を下ると三国山(三国峠)は直ぐだ。生藤山の取付にあった巻道が合流した先にテーブルがあって休憩中の男性二人が声をかけてきた。朝の同じバスに乗っていたそうで、上川乗で降りて浅間峠からここまで縦走してきたらしい。 彼等と別れて一旦熊倉山方面に向かうと、鞍部に出た所に縦走路を外れ左手に伸びる道がある。その箇所には「奥の院経由井戸バス停」と書かれた標識があるので予定ルートに間違いない。ただし、その道は急斜面に付けられた細いトラバース道で雪でも付いてたら通りたくない道だった。 トラバースを終えると植林の中のジグザグの道になり、下り続けると建物の屋根が見えてきた。ここが軍刀利神社奥の院で傍らのカツラの巨木が見事である。なお、本社はここから道路沿いに少し下った所に立派な社がある。後はバス停に向かっての道路歩きなのだが、計画よりかなり早く行動しているので予定より早く帰宅できる可能性が出てきた。 ただ、16時台のバスの前に14時台にバスがあるのは知っていたがその正確な時刻を書き留めてない。こうなったら運任せということで出来るだけ早足で下った所、14時31分発のバスにギリギリ間に合ってしまった。何という幸運、いやそれとも軍刀利神社のご利益か。あまりのタイミングの良さに興奮気味の我々だったが、お客はそんな二人だけというバスは定刻通り静かに出発したのだった。、 冒頭の本に合わせて計画した今回の山歩きだが、著者のような感受性や観察眼を持ち合わせてない二人には見落とした点が多いことに本を読み返して愕然とした。それでも低山歩きと言うこともあり、体力的な不安を感じずに歩けたことは嬉しいことで、終わり良ければ全て良しという言葉通りに満足した山歩きだった。 トップページへ戻る
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