【日 程】令和4年1月3日 【山 名】天平尾根 【標 高】サヲラ峠1,406m、丹波天平1,343m 【天 候】晴れ 【メンバー 】福福 【タイム】 親川バス停9:22--10:02高畑集落跡10:03--10:23後山集落跡10:24--11:26丹波天平12:39--13:18サヲラ峠13:23--14:58丹波バス停 奥多摩には読み方の難しい地名が多く、笛吹(うずしき)、小棡(こゆずり)、人里(へんぼり)等は知っていなければ正しく読むことは出来ない。天平(でんでいろ)も同様でこれ等が読めれば奥多摩通と言って良いだろう。 雲取山の西に飛龍山という山があるが、その飛龍山から南東に延びる尾根がミサカ尾根でそのミサカ尾根の途中、竿裏(サヲラ)峠から尾根末端の親川までを天平尾根と呼んでいる。名前の感じから平和的でおおらかな印象を受けるが、地図で見ても広々とゆったりした地形が読み取れる。今は植林などで変わってしまっているが、昔は稜線が一面の草原だったそうだから、さぞやのどかな光景が広がっていたのだろう。 正月の3日にここを歩くことを決めたのは、たまにはピークを目指さないのんびりした山歩きも良いと思ったのと、すき焼きでもやって山中でのお正月を祝おうと考えたからだ。前夜の内に下ごしらえを済ませ、当日は準備万端で出かけた。お正月期間は交通機関が休日ダイヤになるため、久しぶりにホリデー快速に乗ったのだが、夏の間は登山客で混雑する列車が、この日はむしろ一般の乗客の姿のほうが多く、ガラ空きという程ではないものの席も随分と空いていて拍子抜けした。終点の奥多摩駅で丹波行きのバスに乗り換え、親川のバス停で降りたのは予想通り我々のみ。元々バスに乗った登山客もそれほど多くはなく、それも途中でいなくなり我々が降りた後のバスの乗客は二人だけだった。、 バス停近くの標識の所から登山を開始する。登り始めは山腹に付けられた細い道だったが、徐々に標識も整備された歩きやすい道になり、やがて石垣の上に廃屋が現れた。ここが高畑の集落跡で、もう一つザレて長いトラバースの後に後山集落跡がある。後山の方には廃屋はなく石垣の屋敷跡が残っているだけなのだが、こういうのを見るとここでの生活はどんなものだったんだろうとつい想像してみたくなる。 トラバースの道はここで終わり、この先一登りで目的の天平尾根に出た。その時の感想はとにかく広いの一言。尾根というイメージではなく広場をいくつも繋ぎ合わせたような印象で、落ち葉で道型は判然とせずガイドロープがなかったら無駄にあちこちを歩き回る羽目になりそうな、そんなだだっ広さだった。今歩いていてもウキウキとするのだが、春の季節ならまたどんなに素晴らしいだろうか。この辺りを保之瀬天平と言うのだと思うが、この広がりを天平と名付けたそのネーミングのセンスに感心する。 気分良く進む内、標高1,150m辺りからそれまでの落葉広葉樹林から一時アカマツ林に変わる。そのアカマツ林の下部に松の若木がまるで下草のように一面に生えている。実生から一斉に成長したとは思えないし、人の手で植えたにしては整然としてないし、この光景には首をひねった。 小さな祠の先から少し登り基調になって登りきった所に丹波へ下る分岐があるが、その道は地図では破線になっていたので計画時には敬遠した道だ。直ぐ先に通信用のアンテナが立っていて、この場所が三角点もある丹波天平ということなる。予定通りここで昼食をとることにして、フカフカ落ち葉で少々安定が悪いが風よけのツェルトを張り、お楽しみのすき焼き宴会だと準備をし始めて気がついた。肝心の酒をザックに入れるのを忘れていたのだ。準備万端の積りだったのに、結局一滴の酒も飲まない宴会になってしまったが、すき焼きは旨くてカミさんにも好評だった。 昼食後は引き続き尾根を辿ると、今度はカラ松の植林地に入って単調な林になるが、そこを過ぎれはまた落葉樹の林に戻る。北側に石尾根を望めるが、木々に遮られてスッキリ見通せる場所はなかった。そして今日の最高到達点であるサヲラ峠に到着した。サヲラ峠はこれまで縦走してきた尾根道と丹波と三条の湯を結ぶ峠越えの道が十文字に交わるいかにも峠という雰囲気の場所で、沢山お賽銭が上げられた社がある。ここで尾根歩きの目的を達して我々は丹波に下ったが、この道はザレた長いトラバースが続き、一部は崩落して道形が消えているいる箇所(幸い短い)もあり、手入れがされていないようだ。 どこからともなく現れたサル達に見送られて、下った先の丹波のバス停には予定より早く到着した。ここからバスが出るまでに時間があるので、町並みを見ながら道の駅まで歩き、道の駅で時間を潰してから奥多摩行きの予定のバスに乗った。、 今回は正月に合わせたのんびり山歩きを計画したのだが、狙い通りの気持ちの良い尾根歩きができた。このコースはできれば違うシーズンにまた歩いてみたいものである。 トップページへ戻る ポイント写真及び山の位置はこちら→ ![]() |
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