山行報告>南稜コースから滝子山周遊

2024/6 /1

【日 程】  令和6年6月1日
【山名・標高】滝子山 1,620m
【天 候】  晴れ
【メンバー】 ふく

カミさんが友だちと会う約束をした日に、それならこちらは山に出かけようと計画を立てた。行き先は中央線沿線の滝子山。山と高原地図では破線ルートとなっている南稜コース(寂ショウ尾根)へ一度行ってみたいと思っていたので良い機会だ。

この土曜日だけに晴れ間があるという予報のせいか、笹子駅で下車した登山客は意外に多かった。梅雨入りまでに一つでも余分に登っておこうという思いもあるのだろう、駅からそれぞれの計画した山に向けて出発していく。私は国道20号線を東へ進み吉久保入口バス停の所で国道と別れ集落内に向かう道に入っていく。そんな時背後から長身の若者が現れ、抜かれたと思ったら、更に前方にいた登山者も追い越しやがて姿が見えなくなってしまった。私も前方の登山者もゆっくり歩いていたわけではないし、若者も小走りだったわけでもない。長いストライドであっと言う間に去っていった。世の中には快速の人がいるものだ。

中央高速を跨いでなおも歩いていくと道は閉ざされたゲートに突き当たる。このゲートを開けて最初に渡った橋から150m程行った所に南稜コースへの分岐がある。明確な標識はないが、よく見ると小さな白い注意看板が立っている。舗装路を離れ右折すると「ロープ、ハーネス必須」と書かれた注意文書が立木に張られていた。むやみにこのコースに立ち入るなという趣旨なのだろうが、こけおどし過ぎる。

私が調べたネット情報に「寂悄尾根はバリエーションルート扱いとなってますが、全体的によく踏まれており鎖や道標も設置されています。脱初心者を目指すなら、まずはこのルートでお試しを!」と書かれている通りだと思う。急登続きの上に岩稜も出てくるがロープが必要なほどの危険な箇所はない。

寂ショウ庵という山小屋?跡があり、そこを過ぎ赤松の目立つ杉の植林内を進む内に緩やかな道は終わり山腹の急登に取り付く。それを登りきり尾根に出た所にNo83高圧線鉄塔があって、先行していた4パーティほどが休憩していたがあの快速の若者はいなかった。更に進んで大鹿林道出合の所にある南稜取付きで私は休憩にした。休んでいる間にまた最後尾になってしまったがこの先も急登が続くのだから焦っても仕方がない。

緑したたる林の道には時折咲き残りのヤマツツジの花を見かけたが、総じてこの季節は花は少ない。南稜取付きから1時間ほど歩いた所で岩稜が出現したので、ストックをしまいついでに小腹を満たすため2度目の休憩を取る。この先、浜立山分岐まで標高差で250m位が時折手も使うような岩場もある尾根道になる。標高1,460m辺りにベニバナヒメイワカガミの群落があったが花の時期は過ぎていた。浜立山分岐からもう一登りでようやく滝子山山頂に着く。

今日は晴れてはいても雲が多めで、お目当ての富士山はほとんど雲の中だった。狭い山頂で暫く休んだが、ハエが多くて落ち着かず早めに下ることにする。件の快速の若者も山頂にいたが、私より先に下っていった。分岐まで下りてから鎮西が池方面に進むと小さな池と白縫神社の社のある辺りにクリンソウが咲いているのを見つけた。嬉しくなって写真におさめてから先に進むと直ぐに大谷ヶ丸分岐で、私の先行者はその方面に向かっていった。この時間帯なら滝子山登頂後に大谷ヶ丸方面に向かう登山者は多そうだ。

私の方は予定通り笹子駅方面への道を取る。すみ沢の源頭部部ではまたクリンソウの出迎えを受け気分良く沢沿いの道を下る。途中の分岐で迂回ルートにするか難路と書かれた沢沿いルートにするか迷ったが、初めてのコースである沢沿いルートを選ぶ。岩盤の上を水が流れ落ちるナメ滝の横を通り、モチガ滝の所まで行ってから若干のルートミスをしたが無事本道に戻った。迂回コースとの合流点に出てから後は一本道を順調に下り、懐かしい道証地蔵に出て山道を終了した。

この後は坦々とした林道歩きで朝通った南稜コース入口を過ぎ、これで周遊が完成したことになる。この後は朝来た道通りに笹子駅を目指したのだが、この調子で行けば14時台の列車にぎりぎり間に合いそうだ。しかし笹一酒造にも寄って行きたいという思いも強く、結局笹一を優先して望み通り四合瓶を手に入れた。次の電車を待つ間に半分以上開けてしまったのは、笹子駅周辺にビールを売る店がないと言うのが大きな理由だが、それにしても山帰りの登山者を強力な磁力で引き寄せる笹一酒造はやはり侮りがたい。

 
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