山行報告>前回よりはお天気の良かった、開聞岳

2024/11 /14


【日 程】 令和6年11月14日
【山名・標高】開聞岳 922.2m
【天 候】  晴れ
【メンバー】 福福

この山には2006年(平成18年)10月にカミさんと二人で登っていて、登山道が山頂に向かって螺旋状に付けられているというのが印象に残っている。このくらいの標高差の有る山の場合、山腹をジグザグに登るというのが一般的だと思うが、まるでカタツムリの殻をなぞるように登っていくというのが面白い。見事な円錐形の山容と山のスケールが上手く合って実現出来た道だと思う。

今回の開聞岳登山にあたっては事前に計画した予定日を天気予報に合わせて変更したので、宿や切符の取り直しなどでバタバタしたが、おかげで雨に合わずに登ることが出来た。旅行期間に余裕があったおかげだ。

登り口は「かいもん山麓ふれあい公園」になるが前回登った時から20年近く経っているので、公園内の様子も少し変わっていて、駐車場からは「登山道」という標識に導かれて進んだ。しばらくの車道歩きの後、案内看板の有るところから登山道に入る。真っ黒なスコリアが堀状にえぐられている道を進んでいくと、道の左右にツワブキの黄色い花を目にするようになった。花の少ない時期だけに黄色い大輪の花を咲かせたツワブキはよく目立つ。

ベンチの有る2.5合目を過ぎ3合目、4合目と律儀に合目毎に設置してある標識を、こちらも律儀に撮影していくのだが、家に帰ってから2006年の写真と見比べてみると、その時撮った標識が20年近い時間を経て、それなりに古ぼけてきた事実に過ぎ去った歳月を感じざるを得なかった。

五合目には木製のテラスがあってここから東側の景色が見渡せる。前回の記録にはベンチで休んだとは有るがテラスの事には触れていないので、その後に設置されたものかもしれない。螺旋状の道というのは刻々と進行方向を変えていくわけだから、見られる景色も当然変わっていくはずだが、一部でも開けているのはコース中わずかなのでこの山は眺望が良い山とは言えない。

七合目の上部に山伏が修行に使ったとの解説板のある仙人洞という岩屋が有り、これには記憶があった。この辺りから岩の頭を踏んで登るような所が多くなり、濡れて滑りやすいので気が抜けない。八合目から九合目にかけてがやや長く感じられたが、九合目先で北西部分の眺めが開けて、海岸線とその近くの集落が綺麗に見えた。登りが急になって長い梯子を登ると「山頂 52m、登山口4.2km」と書かれた標識があり、やっと頂上にたどり着くが、その前に前回は寄らなかった山頂直下の御嶽神社に無事登頂御礼の柏手を打った。

さてその山頂部だが、ゆっくり落ち着けるような開けた場所はなく、他の登山者達も適当な岩を選んでその上に腰掛けている。麓から見るとあんなに綺麗な山なのだから、さぞや眺めも素晴らしく360度の展望が得られるだろうと言うのは間違いで、見られるのは主に北側の景色のみだ。肝心の南側は木が密生していて立ち入ることが出来ず、従って南側から太平洋を望むということは出来ない。この点は前回登って分かってはいた事だがやはり残念だ。

そんな事で山頂は適当に切り上げて下山にかかる。開聞岳は千米に満たない低山ながら、その標高差から登り下りに意外と時間がかかるのだ。滑りやすい岩に気をつけて順調に合目を下げていくが、我々とは逆に山頂を目指す人達とも良くすれ違う。百名山で人気の山のせいかも知れないが、それが四合目を過ぎても三合目を過ぎても出会うのだ。流石に心配して声をかけてみると、「夕日を撮りに行くんです」との返事で、そういう楽しみ方があるのだと納得したが、しかし、そうすると帰りは真っ暗な中を下山してくることになる。きっと山慣れた人でひょっとするとプロの写真家さんなんだろうか。

登山口まで下りてきて、帰りは目の前の道路を真っ直ぐ下った。行きに通った道よりもこの方が距離的には近いが、登り返しが有ることと、一本調子の登りになるため行きに通った道を使う方が多分楽だ。公園駐車場まで戻った時に明日登る予定という御婦人から登山口までの道順を尋ねられたので、どっちのコースを選んでも行かれることを伝えた。別れ際に「明日は雨の予報なので登らないかも知れない」と言って去っていったが、だから我々は予定を変更して今日登ったのだとまでは言いかねた。

さて、二度目に登ってみての感想だが、前回よりもお天気が良かったことと酷暑ではなかったのがありがたかった。お陰で多少マシな眺めが得られたものの、山頂から全方位を見渡せないという欲求不満は残る。前回の記録にも書いた通りこの山は富士山と同じで、登るよりは眺めて楽しむ山という印象は変わらなかった。

 
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