山行報告>天気良し、雪良し、猫魔ヶ岳

2026/1 /19


【日 程】  令和7年1月19日
【山名・標高】猫魔ヶ岳 1,403.6m
【天 候】 晴れ
【メンバー】ふく

日曜日は朝から柔らかい日差しがそそぐ山日和になった。ところがカミさんは昨日の帰り頃から風邪症状が出ているということでこの日はホテルで待機。やむなく私だけが猫魔ヶ岳に向かうことになった。

猫魔ヶ岳へは無雪期なら雄国沼から猫石を経て登るのが一般的だが、スキーシーズンにはスキー場のリフトを利用することで楽に登ることができる。旧猫魔スキー場からでも旧アルツスキー場からでもどちらでも行かれるが、今回は山渓1月号に紹介されていた旧猫魔スキー場側からアプローチする計画を立てていた。

無料のシャトルバスに乗って15分程でネコママウンテン北エリアに着く。ここが以前は猫魔スキー場と言われていた場所だ。ちなみにこのスキー場の南にアルツスキー場という別のスキー場があったが、現在は一体化して相互に行き来できるようになっている。旧アルツがネコママウンテン南エリアという訳だ。

スノーシーズンにスキー場のリフトに乗ったのはいつだったか、もう思い出せないほど昔のことなので少々緊張しながら切符売り場に向かった。登山の為に乗りたい旨を伝えると、登山届を提出しているか尋ねられたので、スマホ内のコンパス(山岳安全対策ネットワーク協議会)の登山届提出済み証明書を提示するとOKとなり、スノーシュー乗車券というのを発券してくれた。リフトを2本乗り継ぐので2回券で2千円とか。昔ながらの私の感覚では2回券で2千円は異様に高いのだが、もちろんそんな不満はおくびに出さずにこやかにpaypayで支払った。

最初に乗るのはクワッドリフトでちょうど動き出したリフトにうまく乗れた。リフト終点から次のペアリフトに乗り換えるのに少し下る必要があり、ゲレンデの端をキックステップで下りる。乗場に到着するとリフトは動いているのだが運行開始は9時からと表示されていたので仕方なくそこで15分ほど待つ。穏やかな天気だったから良かったもののもし吹雪いていたら待つのはかなり苦痛だろう。リフト間の連携をもう少し上手にしてほしいものだ。

1基目のリフトでは標高差100m程上がるだけだが、2基目のリフトでは230m程登る。振り返ると2千円でも止む得えないかという気になる高さだった。終点で降りた殆どはボーダーだったが、山スキー装備の人も数人いた。彼等は猫魔ヶ岳に登る目的ではなく猫魔ヶ岳からの稜線(スキー場エリア外)を北上して1349pのある台地まで歩き、そこから滑降してスキー場に下り、再びリフトを乗り継いで登ってきた後に同じ行動を繰り返しているらしい(2度目に会った時に彼等と交わした会話から推測)。

リフト終点でワカンを付け準備を済ませた後、まずは山スキーヤー達の後を追って斜面をトラバース気味に進み、途中から彼等のトレースを離れ猫魔ヶ岳に向かって進路を変える。なるべく尾根を回り込むように行きたいのだが、モンスター化した樹木に遮られてやむなく直登する場面も有って、斜面に正対すると雪の深さは膝上になる。

ワカンを蹴り込んでも体重をかけると足場はあっさり崩れてほぼ元の位置に戻ってしまいいくらも登れてない。たまに崩れない足場に乗るとラッキーという感じで微妙な体重移動で反対側の足を持ち上げる。この繰り返しだ。たちまち心拍数が上がってくるが、振り返れば快哉を叫びたくなるような見事な景色で、こんな好天気に登れるなんて本当に運が良い。

標高1,400mに東側に雪庇の張り出した小ピークがあり猫魔ヶ岳はもう目前だ。この間には古いスノーシューのトレースもあったのでそれを伝って楽に猫魔ヶ岳山頂に達した。標識類は雪に埋もれて今は何も無いピークだが、ここからの眺めは圧巻だった。磐梯山以外の山の同定がちょっとあやふやだったが、後から登ってきた地元のボーダーが詳しく教えてくれた。

旧アルツスキー場からの稜線上にもトレースがあったので、そのルートから登る人のいる事も確認できた。十分に眺めを楽しんでから下山にかかると途中でもう一人のボーダーとすれ違った。最初のボーダーはツボ足だったが、この人はボードを背負ってスノーシューを履いている。人によりスタイルは色々だ。

来た道を忠実に戻り、登りのトレースと合流してからは尾根の真ん中に新しいトレースを刻んで下りていったが、途中で前述の山スキーヤー達に再会し、以後は彼等のトレースを追従した。やがて広いコルに出て前方の1349pに向かっている彼等の姿もよく見えた。

こちらはそろそろ右手の尾根に向かわなければならないのだが、入りやすそうな場所を探す内についつい彼等のトレースを深追いしてしまい、Uターン気味に戻ってから木々の薄い場所を見つけてそこから下降を開始する。斜度を気にせずに下りていかれるのが雪山の良い所で、右手の沢に向かわないようにして真っ直ぐにザクザクと下る。

その途中で今日つけたものと思われる足跡に出合った。それもツボ足での登りのようだ。いったいどこへ向かったんだろう。気にしても仕方がないのでそのトレースは無視して引き続き真っ直ぐ下り、途中から隣のスキーコースに出るつもりで進路を左に変えたが、その先に有る沢が思ったより深くてしばらくその手前を沢沿いに下る。

お昼時間になったので日当たりの良い平地で休憩にした。暖かいからツェルトは不要だ。メニューは牛肉とクレソンの鍋、2人分のつもりだったが締めのラーメンまで一人でぺろりと食べた。食後、沢の一番渡りやすそうな地点を見つけて、そこから対岸に渡りスキー場に合流してからはリフト横をスキーセンターまでポコポコ歩いてそこで終了した。

今回は薄雲は張っていたものの、日が差ししかも微風という真冬には珍しい上天気に巡り合ったのが何よりだった。山頂で会ったボーダーも年末以来の好天に「the dayです」と繰り返していた。こういう良い経験をすると山はやっぱり止められないと思う。良い一日だった。


 
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