【日 程】 令和7年8月17日〜20日 【山名・標高】黒部五郎岳2,839.6m、鷲羽岳2,924.3m、水晶岳2,986m 【天 候】 1日目晴れ、2日目晴れ、3日目晴れ、4日目曇り時々晴れ 【メンバー】 ふく 3泊4日で黒部五郎岳・鷲羽岳・水晶岳の三山を登ってきたので以下にその報告を。 1日目 折立から太郎平へ 富山駅から早朝のバスに乗り込むと、直ぐに「有峰口から満席になる」とのアナウンス。折立に行くバスはこれ一本だけだから仕方ないけど、やっぱり不便になったなあと感じる。 日曜の折立はマイカーでごった返し、道路まで車があふれている。慰霊碑に手を合わせて登山開始。よく踏まれた登山道を一気に登って三角点ベンチへ。ここで最初の休憩を入れる。今日は雲が多く、薬師岳の山頂は見えない。季節が進み、花もほとんど咲いていないのが前回との大きな違いだった。 途中、空身で登っているように見える人たちを見かけて少し不思議に思う。親子連れのお母さん、夫婦連れの奥さん…どちらも旦那さんのザックがやけに小さい。装備が本当に全部入ってるのか?と気になったけど、足並みは揃っていて、結局私と同じタイミングで太郎平小屋に到着。驚いたのは、休憩している間に彼らは下山してしまったこと。日帰りでここまで来るなんて、地元の人じゃなきゃ発想しないだろうなと思った。 2日目 北ノ俣岳から黒部五郎岳、そして三俣山荘へ 前夜、山岳警備隊の人から「翌朝は風が強いかも」と聞かされていたが、幸いほぼ無風。快調に北ノ俣岳へ。なだらかな稜線歩きは気持ちよく、山頂からの眺めも最高で、今回の山行で一番気に入った区間だった。 そこから下った先に黒部五郎岳の急登があり、直前で休んでから一気に登り切る。山頂の展望も素晴らしく、眼下に小屋がすぐ近くに見える。しかし下っていくとカールの迷路に惑わされ、思った以上に小屋が遠い。以前も同じことを感じたなと苦笑しながら進み、ようやく黒部五郎小舎に到着。名物(?)のチャーシュー厚切りラーメンを食べてエネルギー補給。 その後は三俣山荘へ。急登をこなして尾根に出た後、巻道を選んで山荘へ。久々に泊まるこの小屋、記憶はなかったけれど夕食が洋食風だったのは意外だった。部屋は蚕棚式で、カーテンがなかったのがちょっと不思議。 3日目 鷲羽岳、水晶岳を踏む パンとスープの朝食を終え、いよいよ鷲羽岳へ。見上げると壁のような急登だが、小さく切られたジグザグのお陰で意外とあっさり山頂に到着した。冷たい風が吹き抜けていたので長居せずにワリモ岳へ。こちらも急登だが、鷲羽ほどきつくはない。 ワリモ岳からしばらく下って水晶小屋へ。裏銀座の稜線が一望できる絶好のロケーションだ。小休止の後、水晶岳へ。前半はなだらかな道、後半は岩場の登りに変わる。慎重に登り切ると、急に湧いてきた雲のせいで皆早々に山頂を去り、気づけば一人きり。静かな山頂を独占する贅沢を味わった。小屋に戻って名物の力汁をいただき、これが大当たり。美味い! 帰りは岩苔乗越経由で三俣山荘へ戻る。沢沿いのルートは過去に通った事があるはずなのに、まったく思い出せなかった。このコースは意外と長く感じ、結局「鷲羽岳越えの方が歩きやすかったかも」と思いながら小屋へ。昼前に着いたため、午後はのんびり休憩室で今回の記録をまとめて過ごした。 4日目 下山、そして新穂高へ ついに最終日。三俣蓮華岳方面へ向かうが、小屋の周囲はガスに包まれている。今日は距離が長い上に、計画より1時間早いバスを狙っているので気持ちに余裕はない。 三俣から双六へは巻道を選んだが、この道は幅広く歩きやすい。時折ガスのせいで見通しの効きにくくなった場所では、熊が出ないかと緊張しながら通過。三俣山荘から遥か彼方に見えていた双六小屋に着いた時にはそれなりに達成感を覚えたものの、まだまだ先は長い。弓折分岐、鏡平と続く登り下りに体力を削られながらもなんとか歩き続ける。 やがて秩父沢出合から巨岩を敷き詰めた道へ。道づくりの苦労に感心しつつ進み、ようやく登山口に到着。林道歩きに入った時は心底ホッとした。途中のわさび平小屋で食べた冷たいソーメンは、暑さで火照った体に最高だった。ただ、冷えたせいかその後お腹が痛くなってしまったのはいやはやという感じ。結果的に予定より早い新穂高発のバスに余裕で間に合った。 まとめ こうして黒部五郎岳・鷲羽岳・水晶岳を巡る3泊4日の山旅は無事終了。特に印象に残ったのは、男女を問わず日傘を差す登山者と、クマ避けスプレーを持つ登山者の多さ。どちらも以前はあまり見なかった光景だ。温暖化が進む中で、これからはこういうスタイルが当たり前になっていくのかもしれない。
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黒部五郎岳 / ふくさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ