山行報告>ほぼ冬山のニセイカウシュッペ山

2025/10/10

【日 程】 令和7年10月10日
【山名・標高】ニセイカウシュッペ山 1,878.9m
【天 候】  曇り、一時霰
【メンバー】 ふく

10月9日北海道入りして、この日は層雲峡泊まり。今回は層雲峡に4泊する計画だ。
翌10日、層雲峡を出て上川町で国道39号から遠軽方面へ国道333号に入り、しばらく走ってから右手の中越雨量観測所の所で林道に入る。ダート道を10km以上走ると林道終点で、ここに10台程駐車できるスペースと管理者不明のアンテナが立っている。意外なことにこんな山奥でもかろうじて電波が届く。平日のことで他に駐車車両はなく、これは予想通り。

支度をしてから出発すると直ぐに霰が降ってきて、慌ててカッパを着込んだりして手間取った。道は緩やかな登りが続きぬかるみもあるが大したことはない。標識類は林野庁が設置した頂上まであと何キロというものがあるだけだが、これで御の字だ。
霰の方は止んでくれたが相変わらずどんよりとした空で、頂上方面は黒雲の中に入ってるというあまり意気の上がらない景色だ。

明瞭な尾根道になって林の切れ間から大雪山系の山が望めたが上部は雲に隠れていた。木々の枝先に霧氷の花が咲くようになるとこれから向かう大槍の基部の部分だけが見えた。谷を隔てた尾根に見た鋭い岩峰がおそらく小槍だろう。大雪山系の眺めは相変わらずで黒岳ロープウェイや黒岳山頂は何とか見えたが、その上空は重そうな雪雲が覆っている。1742Pの北側を巻く頃から笹被りが酷い部分がある。

そこを過ぎ「あと1km」という標識の所から大槍の北側山腹をトラバース気味に登るが、岩場に雪が乗っているので慎重に通過する。頂上近くの鞍部で風が強まってきた為山シャツを下に着込んだ。厳しい寒さに手がかじかんでいる。そして計画通りの時間に山頂に到着した。本来なら展望の良い山頂なのだが、視界は百m程度で展望はゼロ。厳しい冷え込みに休憩は諦めて早々に下山を開始する。

登りもそうだったが山頂近くはハイマツにエビノシッポがびっしり。これが道を覆っているので手ではなく、体ごと押さないと前に進めない。その先は笹被りと続いてようやく1km地点標識近くまで戻ると、まだら模様に青空が現れた。振り返るとさっき通過した大槍の迫力ある姿が目の前にあってこれには感動した。そしてここでようやく行動食を口に入れる余裕もできた。
その先の下りでまた霰に降られたが、それ以外は問題なく登山口に帰着した。

今回は展望の良いとされるニセイカウシュッペ山に登ったのだが、山頂からの展望が全く無かったのは残念だった。それとダートの林道の予想外の長さ。北海道らしいといえばらしいのだろうが、まだかまだかと思いながら穴凹を避けての運転は結構疲れるもので、登り始めが9時半を過ぎてしまったのはちょとした誤算だった。それでも計画した下山時刻よりは早く下りられたのだから、登り易い山であることは間違いない。ただ、単独であることから余計に熊への恐怖があり、ずっと緊張して歩いていたように思う。幸い熊の気配を感じることもなく下山できたが、明日以降もこうであって欲しいものだ。



 
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