| 【日 程】 令和7年10月12日 【山名・標高】黒岳 1,984m 【天 候】 曇りのち雨 【メンバー】 福福 北海道に来るたびに黒岳に登るのは、ここで亡くなった山SIGのJUNさんの慰霊の為で、今回もそれが主目的だ。 計画では御鉢平展望台まで足を延ばす積りだったが、天気予報が良くなかった為黒岳往復のみに計画を縮小した。そこで出発時刻を随分と送らせてケーブル駅に向かったのだが、駅に着いてみると大勢の観光客の列が出来ていて、出発は更に遅くなった。 定員までぎっしり詰めたロープウェイからリフトに乗り継ぎ黒岳七合目へ。残念ながら上部は段々雲が広がってきている。ここで準備を整えて出発する。降った雪のせいで登山道は随分とぬかるんでいた。 少し登った所で上から下りてきた二人組が昨日武華山で会った二人連れだった。お互い驚いたが山では稀にこういう事がある。愉快な出来事だった。七合目から20分ほど登った所が遭難現場近くなのだが、目印にしていた標識が見当たらない。しかし、記憶に残っている地形と林の様子に見当をつけてその場で手を合わせた。 八合目、九合目と登るにつれて残雪の量が増えてくる。黒岳の登山道は岩ゴロの道で岩と岩の間に雪が詰まっているので、岩の頭や雪の上の歩き易そうな所に足を置いて登る。下りてくる人の中にはチェーンアイゼンを付けている人もいた。頂上近くでは細かい霧雨のようなものが顔に当たりだして、下りてきた子供から「上は雨だよ」と言われる。 その山頂はすっぽりと雲に覆われていてやはり眺望はなかった。ただ寒いだけなので頑張って登ってきた観光客たちも早々に下山していく。こんな天気なのに登ってくる観光客は多く、行楽気分でやって来て、新品のスニーカーを泥だらけにしているのを見ると、そうまでして登る必要があるのかと思えてくる。 我々も彼等と同様に頂上を後にしたのだが、下る途中から徐々に雨の降りが強くなってきた。我々はカッパを着込んでいるが、雨具の類は全く持ってなく濡れるに任せてる観光客も多い。JUNさんの遭難地点と思われる場所の直ぐ下に、行きには見つけられなかった標識を発見した。やっぱりあったんだと嬉しくなったが、見つけにくい場所ではあった。 七合目まで下ってリフトに乗ると、こんなお天気にも関わらず傘を差してリフトで上ってくる人が多いのには驚いた。七合目に着いても景色も何もないのに。 ロープウェイ黒岳駅に着いて、ここの食堂で遅めの昼食を取ってから層雲峡駅に下ったのは15時を大分過ぎていた。止まない雨の中をJUNさんの涙雨に見送られた気分で駅舎を後にしたのだった。
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黒岳 / ふくさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ