【日 程】 令和7年10月14日 【山名・標高】摩周岳 857m 【天 候】 晴れ 【メンバー】 ふく 層雲峡を後にして次に向かったのが摩周湖。カルデラ湖である摩周湖の東壁上にある摩周岳(カムイヌプリ)が楽しそうな山だと目をつけたのだ。 摩周湖に近づくと白っぽい岩肌のちょっと異質な山が見えてくる。それが摩周岳で白っぽく見えるから石灰岩かというとそんな訳はなく、地質学的には珪長質安山岩という岩質なのだそうだ。 車で第一展望台まで上がって見ると、摩周湖の対岸に荒々しい岩肌の摩周岳を望めるが、これがまず一級の眺めで姿形だけなら百名山に引けを取らないと思える。選ばれなかった理由は単純に標高が低いからで、千mにも満たないとあっては、深田久弥の選定の対象にもならなかっただろう。 翌朝は快晴のお天気の中、第一展望台にある「カムイテラス」の開店時刻に合わせて車を走らせる。この施設では熊スプレーのレンタルをしてくれるので、それが目当てである。 ちなみに層雲峡では層雲峡ホステルがレンタルを行っている。今回の北海道の山では熊スプレー、電動ホイッスル、熊鈴の3点で熊対策をした。 レンタル後、準備を整えてから施設の南側にある登山口から入る。 初めはゆったりした下りが1.5km程続いてから登り返しになる。この登りもゆったりしていて雪の時期ならクロカンスキーで来られるのではないかと思ってしまう。眺めも良いし緩傾斜だし楽しそうだと思う反面、遮るものがないので風は強そうだ。 登り着いた所が三角点のある摩周湖峰でここから西の方角に雄阿寒、雌阿寒岳が良く見える。今は登山禁止になっている雌阿寒岳に噴煙が上がっているのが確認できた。目的の摩周岳も近づいては来たが、まだこの先4.1kmとその場の標識にある。ここからまた少し下るが、この先が良い。ゆったりとした低い笹原の中に道が一本続いて、高原のプロムナードという雰囲気なのだ。 気持ち良く下っていくとベンチと案内板のある展望台に着き、先行者が休んでいた。ここは素通りして小さな登りはあるもののほぼ平坦と言って良い道を進めばベンチ、テーブルのある西別岳分岐だ。この日は西別岳を経由して摩周岳に登った登山者の方が私のように第一展望台から来た登山者より多かった、と山頂にいた人に聞いた。他に裏摩周コースから来た人も一人いたそうだ。 いずれのコースもこの西別岳分岐で合流している。分岐から先も緩やかな道が続き、右手に西別岳が見られる。左手は摩周岳を外輪とする直径1.3km程の火口とその底に火口原があるのだが木々のせいで見られない。木々の切れたところは危険により立入禁止となっている。分岐から先は火口の縁に沿って登っているからだ。 徐々に傾斜が強まってくるが、山頂まで400mの標識のある所から頂上まで標高差150mの登りが一番急だ。登り切ると山頂にいた登山者から「あなたは今日7番目の登頂者だ」と声をかけられた。そんな風に言われたのは初めての事なのでちょっと面食らったが、途中でもあまり人影を見なかったのは確かだ。良い山でもそれほど大勢が押しかけるわけではないというのが好ましい。 頂上からの眺めでまず目につくのが斜里岳で、私の知っている斜里岳とは随分形が違うので始めは分からなかった。反対側には阿寒岳があり、眼下に摩周湖とそれらばかりを見てたので縁を登ってきた火口をじっくり見るのを忘れた。写真にも残してないのが心残りだ。 ここで小腹を満たしてから直ぐに下山にかかる。第一展望台でカミさんが待っているので、そうゆっくりとはしていられない。朝素通りしたベンチのある展望台でお昼にしてカミさんにlineを送る。この山はどこからも電波が通じるようなので安心だ。 お昼を切り上げて朝来た道を戻る。お天気の方は相変わらず上天気で踏み出す足も軽く、やがて第一展望台に到着して無事カミさんと合流できた。往復5時間15分の爽快なハイキングだった。 摩周岳は今回登った北海道の山の中では最も好印象の山で、お天気の良さに支えられた面はあるものの、摩周湖越しの山の姿、登山道の趣き、いずれも素晴らしいものだった。機会があればまたいつか歩いてみたいと強く願った。
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摩周岳 / ふくさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ