山行報告>梅雨前に登った蒜山

2019/6/25

【日 程】令和元年6月25日
【山 名】蒜山
【標 高】1,202m(上蒜山)
【天 候】晴れ
【メンバー 】福福
【タイム】
 上蒜山登山口手前8:11−−−8:16登山口8:17−−−9:49上蒜山9:57−−−10:52中蒜山11:26−−−13:03下蒜山13:17−−−13:50雲居平13:54−−−14:43下蒜山登山口


今年の梅雨は沖縄・九州南部は5月末までに梅雨入りし、その後、東海、関東甲信、北陸、東北南部は6月7日に梅雨入り宣言が出た。更に東北北部が6月15日とここまではほぼ平年並みに梅雨入りしたのだが、九州北部から四国・中国・近畿地方については一向に梅雨入りせず、日本列島はいつもの年とは違う変則的な梅雨入り状況になった。

それならまだ梅雨入りしていない地域の山に登ろうと、計画したのが岡山県と島根県の県境にある蒜山。蒜山は山の会の例会で以前に計画を立てた事があったのだが、参加希望者がなくその時は中止していた。

蒜山の登山基地となる麓の国民休暇村には山登り応援プランというお昼の弁当が付いて登山口、下山口への送迎もしてくれるという実に具合の良い宿泊プランがある。更にこの国民宿舎では「ホタル鑑賞プラン」というこの季節ならでは宿泊プランもあって、ホタルの出る場所まで宿の車で案内してくれるという。山登りとホタル観賞が一度に楽しめるという、我々にとっては願ったり叶ったりと言うことで、大いに期待して出掛けてきた。

岡山駅から特急に乗り換えて、伯備線の根雨という駅で降りると宿の車が迎えに来ていた。車に乗って30分程で国民休暇村蒜山高原に到着して、先ずは温泉に入り、次に夕食、その後がお楽しみのホタル観賞だ。参加者は我々の他に3人組の女性グループのみだったが、車で20分強走ってホタルの出る場所に連れて行ってくれた。昨年の大雨の影響という事で、ホタルの数は多くはなかったものの何年かぶりに見たホタルに感激した。

翌朝、宿の車で牧場の際にある上蒜山登山口近くまで送ってもらう。ここで降りたのは我々の他にはもう一組の夫婦のみで、残りの乗客は下蒜山登山口方面に向かうようだ。

ここから牧場の中を5分ほど歩いて登山口に着いてから、いよいよ牧場を離れ林の中に入っていく。登山口から歩きだして10分強で二合目を通過して、その上部で最初のササユリを見つけた。艶やかな中にも気品のあるササユリに出会うのは、梅雨時期の山登りの楽しみだが、今回の蒜山でも期待以上に多く見かけることができた。三合目を過ぎると林を抜けて展望が広がるようになり、五合目付近からは大山の山頂部も明瞭に見られた。ただ、この後は大山に雲がかかるようになり、八合目展望地からの眺めも今ひとつだった。

結局、スッキリした大山は五合目付近からのものが最後になった。山頂が近づくとブナ林になり、上蒜山頂上は展望はない。上蒜山の山頂標識から尾根伝いに北へ250m程行くと三角点があるのだが、山頂標識より3m低い場所なのでわざわざ行く価値はなさそうだ。三角点へは藪こぎになるが踏み跡のあることだけは確認して行くのは止めておいた。

上蒜山から次の中蒜山へはかなりの下りがあり、下りきったところから丈の低い笹原が始まり中蒜山に向かって緩やかな登りになる。この辺りはイブキトラノオが良く目に付く気持ちの良い道だ。登り着くと避難小屋があり、その前を通った先が中蒜山山頂で、広場状の見晴らしの良い場所である。ただ、お目当ての大山が目の前の上蒜山に隠れてしまうのが、何とも惜しい山頂だ。

我々がここで昼食中に到着した単独男性が、どうも朝の送迎バスに乗り合わせた人のようだったが、もし下蒜山登山口からやってきたのならかなり足の早い人だ。

昼食後はいよいよ最後の下蒜山に向かって出発する。蒜山を構成する上蒜山、中蒜山、下蒜山の三山はそれぞれ独立性が高く、三山を縦走するとかなりのアップダウンになる。特に中蒜山から下蒜山に向かっての下りは、上蒜山から中蒜山への下りに増して大きく下る。下り切るとやはり笹原の中の牧歌的な道になり、ササユリを愛でながらのんびりと下蒜山に向かって登り返す。振り返れば大山は完全に雲に隠れて、この日の内に再度眺めを楽しむのは無理なようで、朝の内に見られただけでも感謝しなければ。

下蒜山山頂でしばらく休憩してから下山を開始する。途中の雲居平から振り返ると下蒜山が綺麗な三角形に見えた。犬挟峠にある下蒜山登山口には15時前に到着して、迎えのバスを待つ間に東屋の所で靴底についた泥を一生懸命落とした。東屋には自転車が3台ほど駐めてあったが、これらは上蒜山登山口に車を駐車した登山者がここまで縦走してきた後、車の駐車場所まで戻る為のものだと、一緒に下山した登山者が教えてくれた。

迎えの車で宿に戻ったこの晩もホタル見学に出掛け、気温が上がったせいか先日より多くのホタルを見ることができてより楽しめた。
梅雨入り前の晴天を狙って実行した蒜山登山はほぼ期待通りのお天気に恵まれ、更にホタルも楽しめたということで、大いに満足した山旅だった。

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GPSで記録した登山ルートの地図画像 が見られます。
オンライン地図(山旅倶楽部)の2万5千全国地図とカシミー ルを使用していますが、画像を縮小している為、縮尺は正確ではありません
地図上で登山ルートを赤色の実線で表示しています。歩いたコースが往復で異なる場合や行動が複数日に渡る場合は、色を変えている場合があ ります(例:登りを赤色、下りを紫色。一日目を赤色、二日目を紫色)