山行報告>春の笹尾根

2021/3/30

【日 程】令和3年3月30日
【山 名】笹尾根
【標 高】1,188.2m(槇寄山)
【天 候】曇り
【メンバー 】ふく
【タイム】
 郷原バス停9:31−−−10:49槇寄山10:50−−−10:52西原峠11:27−−−12:04数馬峠(仲ノ平分岐)12:04−−−12:34笛吹峠12:34−−−12:48丸山13:14−−−13:31小棡峠13:312−−−13:58土俵岳13:58−−−14:09日原峠14:18−−−14:53浅間峠15:07−−−16:05上川乗バス停

2021年3月22日で緊急事態宣言は解除されたものの、引き続き3月一杯は「不要不急の外出はお控えください」との事で、山歩きの再開は4月からと考えていた。

ところが、宣言解除後も新規感染者の増加傾向は変わらず、このペースで増え続ければ再宣言も想定される状態になってきた。
そうなれば山は再び自粛せざるを得ない。なら行かれる時に行った方が良いと考え、今回の計画を立てた。

笹尾根は三頭山から高尾山を結ぶ甲武相国境稜線の内、三頭山から浅間峠までの尾根をそう呼ぶようで、三頭山(1,527.6m)から西原峠までの間に400m程標高を落とした後は1000m前後の穏やかな尾根が続く。

今回は鶴川上流の郷原から入り笹尾根を縦走して、浅間峠から南秋川側に下山するプランだ。
上野原駅からバスに乗り約50分で郷原バス停に着くと目の前に「三頭山登山口」の標識がある。まっすぐ急な道を5分ほど登ると再び標識が現れて山道が始まり、振り返ると満開の桜の中に落ち着いた山里の風景が広がっていた。そのまま進むとイノシシ除けの柵を潜り竹林から杉の植林の中に入っていく。自粛でなまった身体でもきついと感じずに登って行かれる程に緩やかなのは、この道が上野原(山梨県)と秋川(東京都)を結び人や物が行き交った昔からの生活路だったからだ。

この道を登り詰めたところにある西原峠の他、田和峠、数馬峠、笛吹(うずしき)峠、小棡(こゆずり)峠、日原峠、浅間峠と笹尾根には多くの峠があり、峠越えの道も多くは現存している。鶴川上流の集落から尾根を越えた秋川の集落まで行くのに、現在でも公共交通機関を使えば半日は優にかかる。しかしその様なものの無い時代でも歩いて尾根を越えれば、どの峠を使っても3時間とかからずに行くことができる。当時は峠越えの道は生活のためにどうしても必要なものであったに違いない。それを今は我々登山者がありがたく使わせてもらっているわけだ。

やがて明るい落葉樹の道に変わっても、里とは違いこの辺りはまだ冬のままで、葉の出ているような木々はない。いよいよ峠が近づいた所に分岐があり、右が「数馬」(西原峠を越えて南秋川の数馬に下る道)、左が「三頭山」とあり、ここは左に進んで笹尾根上の槇寄山に寄ってから西原峠に下ることにする。

槇寄山山頂は二組のテーブルとベンチがあり、今日のコースの中では唯一と言っても良いほどの展望場所だが、黄砂への注意が呼びかけられていたこの日は全く展望はきかず富士山も見えなかった。諦めて下った西原峠は案内標識が2基あるだけのシンプルな峠で、ベンチぐらいはあるだろうという当てが外れたが、計画通りここで昼食をとってからいよいよ笹尾根縦走に出発する。

尾根道自体は急な登下降もなく危険箇所も無い坦々とした道で、言ってみれば単調な道だ。雑木林と植林が交互に現れ、黄砂がなくても元々展望は良くない。途中でシロモジらしき黄色い花を見かけたが、この時期はまだ色彩感に乏しい林が続く。

ちょうどコースの中間地点である丸山で一息入れたが、ここもピークらしいピークでは無い。これは土俵岳も同様で縦走路の途中に山頂の標識があるという感じだ。
春の草花も麓以外では日原峠と浅間峠の間でエイザンスミレを見かけたのが、唯一のものだった。

浅間峠には東屋があり2本の大杉の間には祠が祭られている。尾根道は更に三国峠・生藤山へと続くのだが、私の今日の縦走はここまで終わり、峠にあった「小宮戸倉ヲ経テ五日市に至ル」と刻まれた古い石柱が指し示す道に向かった。

里まで下るとサクラ、ヤマモモ、シモクレン等が満開で山の景色とは一味も二味も違う春爛漫の風情に心が浮き立つ思いだ。モノトーンの世界から一気に百花繚乱の里に下るというのもこの季節の山の楽しみ方かもしれないと思ったことだった。

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