【日 程】令和5年2月1日 【山 名】鋸山 【標 高】329m 【天 候】晴れ 【メンバー 】福福 【タイム】 浜金谷駅9:13--9:33車力道入口9:34--10:02ロープウェイ分岐10:09--10:20東京湾を望む展望台10:24--10:43鋸山10:51--11:13ロープウェイ分岐11:13--12:03地獄のぞき12:23--12:36日本寺大仏13:39--13:02日本寺仁王門13:03--13:39保田駅 鋸山は千葉県の最高峰と認識していたのだが、調べてみると正しくは愛宕山(408m)が千葉県の最高峰であって、鋸山(329m)より標高の高い山は他に十以上もあることも分かった。不思議なのは鋸山イコール千葉県の最高峰説は私の周りでは広く流布していて、今でもそう思っている人は多いと思うが、その誤った情報はどこから来たのかということだ。残念ながらこれは調べてみても分からなかった。標高の低い山ばかりで山の注目度の低い千葉県にあって、名の知れた鋸山が最高峰だと言われると、そうなのかとすんなり受け入れられてしまったということだろう。、 登った身としては最高峰だと思い込んいた山が実は県内18位の山でしたというのは滑稽ではあるが、特に残念という感じはない。標高を求めて登ったわけではないし、鋸山そのものが登山対象の山というよりは観光地として認識されているので、こちらもそういう積りで出かけているからだ。 その鋸山へは東京湾アクアラインを経由する高速バスを使うのが便利だ。東京駅から館山行きの高速バスに乗り、途中の上総湊駅前で降りて内房線に乗り換え登り口のある浜金谷駅で下車する。帰りは一旦館山駅まで出ればそこから東京駅か新宿BT行きの高速バスに乗って十分日帰りできる。(帰り便は上総湊駅前は経由しないので、館山駅に出る必要がある) さて、浜金谷駅で降りた我々は駅前の郵便局の所を左折し線路を潜ってからは、関東ふれあいの道(尾根コース)入口を見送って、なお道路を進む。民家の軒先に早くも梅が咲いていた。やがて分岐Bと書かれた標識の所から山道に入るが、駅からここまで十分程だ。この道を車力道という。解説板によれば車力道は鋸山山頂付近で切り出された房州石(金谷石)を港まで木製の荷車で運び出した道で、石の重みで道の表面に荷車の轍跡が残っているという。 この運搬を行った人達は車力と呼ばれていて主に女性が担ったという。一本80kgの房州石を3本荷車に乗せ、急な山道を荷車の後ろを引きずりながらブレーキをかけて麓や港まで運び、空になった荷車は背負ってまた石切り場まで戻る。これを一日に3往復したという。確かに登ってみると敷石が凹んで轍跡とみられる箇所が随所に現れて、当時の車力達の想像を絶する重労働の痕跡を見ることが出来た。道はやがてロープウェイからの道と合流して、ここで初めて大規模な石切り場跡が見られる。整然とと言えば良いのか、見事に切り取られた石の壁を見上げて石工達の凄さに感嘆する。 そこから急な石段を登りつめると「東京湾を望む展望台」に着く。この日は雲に隠れて富士山は見られなかったもののここからの眺めは秀逸だった。名前の通り海岸線と東京湾がぐるりと見渡せ、ここまで来れば頂上は寄らなくてもいいという感じだが、我々の目的は山登りなのでその先へ進む。一旦下った先に電波塔が見えたのでそこか頂上かと思ったら三角点は更に先にあった。やはりと言うか山頂は林に囲まれているので眺望の方は今ひとつだ。山頂には三角点の他に国土地理院が設置した菱形基準測点というプレートの嵌まった八角形の石柱がある。後から調べてみると地表面の水平方向の変動を調べるための測点と分かったが、こういうものはあまり見たことがない。 頂上からは先程の分岐まで戻り、今度はロープウェイ方面に向かって進むと、石切場跡と階段の上り下りのオンパレードだ。一番大規模なのは岩舞台と言われる場所で、ここは最後まで(昭和60年)採石が行われていた場所だという。また、急階段を登りつめた先のテラスから見られる数十メートルに及ぶ驚くほど垂直の壁は天空の城ラピュタになぞらえてラピュタの壁と呼ばれている。この壁に錆びた埋め込みボルトや朽ちかけたシュリンゲが残っていたので、岩登りの対象になっていた事があるようだ。更に進むと管理所があって先に進むにはここで拝観料を払うことになる。 ここから先は日本寺の境内を通らないとロープウェイ方面には行かれないのだ。強風のためロープウェイは止まっているとここで聞いたが、我々は保田駅まで歩く計画なのでそれは問題ない。境内で百尺観音や山頂展望台での地獄のぞきの後、大仏広場に下って日本一の大仏様を拝み、仁王門を過ぎてから寺外に出てやっと階段から開放された。後は案内標識の整った道路を保田駅まで歩いて計画を終えたが、保田駅近くで立派なツリーハウスを見つけて羨ましく思ったことだった。 なかなか機会のなかった鋸山に今回思い切って出かけてきたのだが、初めて足を踏み入れた千葉の地は見るもの、聞くものが新鮮で刺激を受けた。山登りにこだわらず観光目的で出かけてみても楽しめるものだ。、 トップページへ戻る ポイント写真及び山の位置はこちら→ ![]() |
|
前の山行報告へ |
![]() |
GPSで記録した登山ルートの地図画像
が見られます。 |